テクニカルレポート

2019/04/19 / テクニカルレポート

シリーズ・さまざまな研究所を巡る(第5回)

〜日本の航空技術の開発をリードするJAXA(その2)〜

厚木エレクトロニクス  加藤 俊夫 氏

 

1. はじめに


 先月は、主にエンジン関係を話題にしたが、JAXA航空技術部門では航空に関する様々な研究が行われているので、読者の皆様に興味を持って頂けそうな話題を取り上げる。

 


2. 航空の安全性

 

1.航空機と気象

 航空機の運航は気象に大きな影響を受ける。

 特に日本の空は、雪や雷など世界的に見ても厳しい環境であるといえる。

 JAXAでは、これらの気象に対して航空機の安全性を効率的に維持することに関する研究を行っている。

 図1は、飛行中に気象が関係する影響について示したもので、滑走路の雪氷検知、エンジン防除氷や、砂や、火山灰などに対する防御技術からなる「気象影響防御技術」の研究開発を行っている。

図1 航空機の離着陸の伴う危険の数々 (図はJAXA提供による。筆者が一部加工した)

 

2.滑走路雪氷検知技術

 滑走路に積雪があると、航空機が安全に離着陸可能か、除雪すべきか、素早く判断することが重要である。

 これらの判断をするため、●図2のような積雪の程度、雪氷の種類などを検出するセンサを開発している。

図2 滑走路の雪氷モニタリングセンサー (図はJAXA提供)

 

3.被雷対策

 航空機への被雷をすべて防ぐことは困難なため、被雷による機体の損傷をより少なくすることが重要な課題であり、特殊な構造・材料により損傷をより少なくするとともに、避雷箇所をコントロールするなどの研究を行っている。

 図3に、被雷対策を示す。

図3 航空機への被雷対策 (図はJAXA提供による。筆者が一部加工した)

 

4.晴天乱気流検知装置

 筆者はアメリカのロッキー山脈上空で乱気流に巻き込まれ、突然機体がフワーッと落ちて、卓上のコーヒーが飛び上がり、大勢のお客が「キャー」と叫んだ経験がある。

 客室乗務員や乗客が怪我をする事故の50%は、突然の乱気流に突っ込んだのが原因である。

 雲があれば乱気流はある程度予測できて、機長からシートベルト着用の指示が出るが、晴天なのに突然乱気流が発生している場合がある。

 そこでJAXAは晴天乱気流を検出するシステムを開発した。

 この原理は、航空機からレーザー光を照射して、はるか前方の大気中に浮遊するエアロゾル(1μm以下の微少な水滴や塵など)からの散乱光を受信し、ドップラー効果による光の波長変化を調べることにより乱気流を検知するものである。

 JAXAのデータでは、平均で約17.5㎞先の乱気流を検出することに成功した。

 JAXAが目標としていたのは14km先の乱気流の検知であり、これは時間にすると約70秒となり、シートベルト着用サインを出すなどの対応が取れるようになる。

 10㎞以上も先の微少な水滴からの反射光と言えば、筆者には想像を絶する微少信号と思えるが、技術者の執念で実現したそうである。

図4 晴天乱流検知装置を積んだ航空機 (図はJAXA提供による。筆者が一部加工した)

 

5.エンジン防除氷技術、砂塵防御技術

 ターボファンエンジンのファンに氷が付着すると、推力が低下し、剥がれた氷がエンジン内部に損傷を与える可能性があるので、氷が付きにくい翼設計や防除氷ヒーティング技術を開発している。

 またエンジンに砂塵(火山灰や砂など)が入り込むと、ファンやタービンを傷め、エンジン推力が低下する恐れがあるため、この対策の技術開発に取り組んでいる。

 

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