ブックタイトルメカトロニクス6月号2021年
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メカトロニクス6月号2021年
10 MECHATRONICS 2021.6 御社を設立された経緯や概要などにつ いてお聞かせください角屋 : 当社は、製造工程に特化したAI/IoTシステムの研究開発を行う技術系企業で、2018年6月に設立しています。 私自身、大学時代は工学部におり、4年生の時にある研究室に入ったのですが、そこでのちに当社を一緒に起業する内山氏と出会っています。彼は、同じ大学の大学院を卒業後、一度大手メーカーの研究所で働いており、私が入る一年前に博士として研究室に戻っていました。 そして、その研究室で一緒に共同研究を始めるようになり、研究内容としては基本的に生体信号のデータ解析といった、今でいうAIを使ったデータ分析に近しいことをやっていました。私はその後、エンジニアとして企業に就職しましたが、彼はそのまま大学の違う研究室に残り、2年後に私がその企業を退職し、「会社を一緒に立ち上げよう」と彼を誘って当社を起業しました。 実際には、起業する前から会社を立ち上げたら何をやろうかといった話しはしており、「将来的には自分たちもメーカーになっていきたい」というようなことを話していました。ただ我々には、ハードウエア的なものづくりの経験がまったくなく、ソフトウエア代表取締役角屋 貴則 氏様々な製造工程のデジタル化に貢献するAI/IoTシステム~同業種間で抱えている課題解決に向けた取り組みを推進~を中心に研究してきたので、まずはものづくりについて色々と知るために製造業の中に飛び込んでいこうと考え、様々な製造業の案件を探すところからスタートしています。 そして、製造業の現場にIoTやAIのシステムを導入する仕事をいただきながら、最終的にはメーカーを目指して現在もビジネスを進めており、これが当社を設立した経緯になっています。 私はエンジニアだったので、どちらかというとシステムを構築したり営業などを担当し、内山氏は研究開発を担当するといった形で、2人でスタートしていますが、最近では徐々に従業員も増えている状況です。 また、2020年2月には製造業向けの展示会に初出展し、それまでは色々な方々や企業などに紹介していただきながらビジネスに繋げてきましたが、展示会に出展したことで、直接お客様からお問い合わせいただけるようになっていきました。その後も、ソフトウエア向けの展示会ではなく、色々な製造業向けの展示会に出展しており、少しずつですが認知度を上げる取り組みに力を入れています。 さらに、同年8月には芝浦工業大学と加工技術の共同研究をスタートさせており、技術の向上に向けた様々な取り組みにもチャレンジしています(写真1)。 御社の事業展開についてお聞かせくだ さい角屋 : 当社は、AIやシステム開発を強みにしており、それを活かした“製造業×AI”をキャッチフレーズに、ちょっとユニークな事業展開を行っています。基本的には、お客様の業態に併せた3つの柱で、製造工程をデジタル化するお手伝いをしています。 まず1つ目は、切削加工業やプラスチック製造業など、業種別に必要になるIoTシステムをまとめて提供する『業種別IoTパッケージ』で、業種ごとに共通する課題を解決するIoTシステムをパッケージで販売しています。こちらは創業以来、様々な現場からAI活用のご相談をいただく中で、偶然にも同業種の異なる企業からまったく同じ質問を受けたことで、同業種間で工程別に同じような課題をいくつか抱えていることを知り、これはビジネスに繋げられると思い研究開発を進めた製品になります。 例えば、切削工程による工具の摩耗状況をデータで管理し、最適な工具の交換時期を管理する製品などを用意しており、どちらかというと今まで職人の勘に頼ってきた部分をデータ化していく取り組みを進めています。こちらの製品は、既存の装置に簡単に外付けできるもので、基本的に商社を通じた販売展開を行っており、取り扱っていただける商社自体の開拓もさらに進めている状況です。 次に2つ目は、製造工程におけるデータ収集蓄積からAI活用までをトータルで実現するためのソリューションとして『製造工程自動化ソリューション』の提供を行っています。こちらは、創業当時から展開している事業で、PLC/外付けセンサ/帳票からのデータ収集、AI学習予測、マシン/オペレータへの最適指示フィードバックまでをトータルで提供するもので、それにより製造工程のデジタル化を一気に進めることができます。 創業当時は、データ収集やシステム構築はメー株式会社 MAZIN 製造業向けに特化したAI/IoTシステムを柱に事業展開する株式会社 MAZIN。“製造業×AI”をキャッチフレーズに、通常のソフトウエア関連会社とは異なるユニークな事業形態を進める同社の概要や事業内容、主力となる製品などについて、代表取締役角屋 貴則 氏にお話しを伺った。写真1 芝浦工業大学芝浦キャンパス内での共同研究