ブックタイトルメカトロニクス5月号2021年
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メカトロニクス5月号2021年
MECHATRONICS 2021.5 11高温環境や低温環境にそれぞれ適した『トラスト・ライト 高温環境タイプ/低温環境タイプ』など、特殊な現場に対応するモデルも用意しています。 これにより、現状で蛍光灯が使われているほとんどの環境をカバーできると考えています。 さらに直管形以外でも、エレベータホールや病院/養護老人ホーム等の食堂などで使われているFPL / FHP 形蛍光灯に対応した『FPLコンパクト蛍光灯形LEDランプ』(写真3)、昨年末で水銀灯の輸入/輸出や国内での生産ができなくなったため、それの代替として既設の水銀灯器具をそのまま使用してLED化を実現する『水銀灯形LEDランプ』(写真4)なども用意しており、非常に好評をいただいています。 それから最近では、新たに『空気循環式殺菌灯器具』の開発を進めていましたが、昨年末に製品化のメドがつき、本年3月より販売をスタートさせています(写真5)。 では、新製品となる『空気循環式殺菌灯 器具』の概要と製品の特徴などについ てお聞かせください桝本 : この製品の開発は、2019年の年末頃からスタートさせています。我々はLED のメーカーなので、紫外線のLEDで殺菌効果のある製品をつくろうと企画し、トライしていました。 当初の計画では、新製品ということもあり2 年程かけてじっくり腰を据えてやって行こうと考えていましたが、2020 年に入ってすぐにコロナ問題が発生し、殺菌灯のLEDはまだ成熟されていないこともあり、まずは世の中にある蛍光灯タイプの殺菌灯で開発を進めました。そして6月には試作品をつくり始め、年末には製品化のメドが立てられるところまでこぎ着けました。 世の中では、殺菌や減菌のニーズが非常に高まっており、我々自身も出勤者7 割減ということでテレワークや時差出勤などを行いながら、社内では空気清浄機を数台購入し使っていましたが、やはり殺菌灯の方が効果があると考え、殺菌灯の開発に着手しています。また、蛍光灯は組み合わせ技術で行えるため、短期間で立ち上げられると考え、コロナに対しての対応も踏まえて改善に取り組んできました。佐々木 : 今回の新製品は、内蔵型のファンを装備しており、室内空気をこの内蔵型ファンで強制循環させ、殺菌灯を照射して菌を効果的に抑制し、きれいな空気を押し出す構造になっています(図1)。 この内蔵型ファンによる風量が、1つのポイントになっており、それは風量によって殺菌効果がまったく変ってくるためです。ただ、ファンを大きくすれば音もうるさくなるので、風量に対して音の問題であったり殺菌効果の問題といったところの調整が、私の中で非常に苦労した点になっています。 また形状についても、このような器具は天井に取り付けて使われていますが、他社の製品は比較的サイズの大きなものが多いので、当社ではそれを如何にコンパクトにするかが開発のテーマにもなっていました。そして風量を落さずに、空気も吸い込んだものを外に漏らさず、しっかり殺菌させて出すという外観の構造は、今までにないような形状でつくられています。こちらも、非常に苦労した点になっています。 そして、殺菌灯自体は人体に影響を及ぼす恐れがありますが、しっかり本体に内蔵する方式を採用しているので、人がいる空間でも安心して連続運転することが可能です。さらに、薬品を使用していないので、室内などに残留物が発生せず、フィルタも使用していないため、交換などメンテナンスの必要がほとんどありません。 ラインアップとしては、スタンダードタイプとミドルタイプの2 種類を用意しており、設置環境に合わせてご提案できるようにしています(図2)。 今後の展開などについてお聞かせくだ さい桝本 : 従来の蛍光灯からLED化にするだけで、6割から7 割の省エネが実現できますが、ただ気を付けなければいけないのは、まだ使える従来の器具ごと変えて廃棄してしまうとCO2 を消費してしまい、かつ新しい器具をつくるとここでも余分なCO2を消費してしまいます。 そのため当社では、既設の器具を活かすことで「CO2の削減」と「廃棄の最少化」に貢献するレトロフィット事業を今後も継続していき、LED 化に関するお客様のお困りごとを解決していきたいと考えています。 また、既設の器具についても色々な種類の形状がありますので、ユニットごと変えてしまうような提案も行っていきます。それにより、どのような形状の器具にも対応できると考えています。 さらに、先程の『空気循環式殺菌灯器具』のような新たな取り組みにも色々とチャレンジしていきたいと考えており、まずはLED の殺菌灯で長寿命/省エネ/コンパクト化を目指していきます。佐々木 : 製品開発としては、一般社団法人日本照明工業会(JLMA)が2030 年に向けて推奨しているCSL(コネクテッド・ スマート・ライティング)とHCL(ヒューマン・セントリック・ライティング)に関する製品の開発に取り組んでいきます。 例えば、直管形LEDランプにカメラを付けて防犯カメラの代わりにし、それが携帯で見れるようにしたり、空調と繋がることで部屋の温度を下げたりしたらライトの色をクール色に変化させるなど、他の製品と繋がりをもたせるような製品展開を目指したいと考えています。そうすることで、今まで照明としてただ明るくするだけのために付いていた製品に対して、お客様の感じ方が色々と変ってきますし、そこで働く方や暮らす方などの生活環境が良くなっていくと思われます。 そういった製品の開発に、今後力を注いでいきたいと考えています。 本日はお忙しい中ありがとうございました。所在地 :U R L :事業内容 :東京都港区http://www.trustlight.jp/LED 照明の設計、製造、販売、それに付随する業務。エコ・トラスト・ジャパン株式会社・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・写真3 『FPLコンパクト蛍光灯形LEDランプ』図1 『空気循環式殺菌灯器具』のメカニズム写真5 『空気循環式殺菌灯器具』写真4 『水銀灯形LEDランプ』図2 『細菌濃度時間推移』