ブックタイトルメカトロニクス3月2021年

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概要

メカトロニクス3月2021年

MECHATRONICS 2021.3 11像度の動画を撮影でき、また各種センサと組み合わせて解析するシステムも実現しています。この高速度X線イメージングシステムによる新しい領域が、当社のセールスポイントの1つになっています。 次に、当社の最新鋭システムとなる新製品についても、ここで紹介させていただきます。 まずは、マイクロフォーカスX 線CTスキャナ『TXScanner』です(写真1)。この製品は、従来のマイクロフォーカスX 線CTスキャナをフルモデルチェンジした製品で、大きな特徴となる新しい機能がいくつか追加されています。その1つが、新開発の画像鮮鋭化機能「TXCorrection」です。この機能は、X 線特有のノイズや偽像(アーティファクト)を独自の画像処理技術で補正することで、より実態に近い鮮明な画像を実現します。透過が厳しい被検査物やCT撮影が難しい複合材料などに特に効果を発揮します(写真2)。 X 線発生器は最大管電圧300kVと230kVから選択することができます。検出器についても今回のモデルから新しいFPD(Flat Panel Detector)を採用しており、従来のコントラストの高いタイプに加え、解像度の高い新しいタイプもラインアップに追加しています。 また操作画面は使用者の好みによって、簡単に操作できるスマートモードと、詳細な設定が行えるエキスパートモードの2種類を自由に切り替えて使うことができます。スマートモードは煩雑なパラメータ設定がなく、位置決め/X線条件/スキャン条件の3ステップで簡単に撮影することができます(写真3)。エキスパートモードはFPD 積分時間/積分枚数/ビュー数/スライスピッチ/スライス幅など、各種パラメータを個別で設定することができます(写真4)。その他にも、従来機能のいくつかはさらに改良されており、非常に使いやすいモデルになっています。 最後に、二次電池のインライン検査向けに性能をアップした新製品の円筒型リチウムイオン二次電池向けX 線検査装置『X's-BT150』を紹介させていただきます(写真5)。この製品は生産ラインに組み込んで使用するタイプで、負極と正極の巻きずれや缶壁との距離など複数の検査項目を全自動で測定し、良否判定します。一般的には、検査対象物を一度停止させて撮影する手法が主流となっていますが、当社は検査対象物の動きに追従しながら撮影する技術を採用しています。本製品ではその機能をさらに強化することにより、当社従来製品と比較して処理速度を14%アップし、1分間に400個の検査を実現しています。 今後の展開についてお聞かせください藤田 : 我々は、今後も自動車関連の検査需要が多いと捉えております。素材についてはアルミ製品の検査はこれからも続くと思われますが、今後さらに軽量化が進むことを考えると、CFRPやGFRPといった強化プラスチックが増えてくると予想しています。また世界中でEV 化が推し進められていることから、電池と電気・電子部品への検査も増えていくと考えております。先程紹介させていただいた新製品『X's-BT150』の販売もその一環ですが、この分野への取り組みも強化していきます。 高速度X 線イメージングシステムは、内部の動きを動画で撮影するような検査手法がなかった中で、それを可能にした画期的な製品であると思っています。実際に「どう動いているのか挙動を見たい、検査したい」というニーズは以前から存在しており、需要は今後さらに増えていくと思います。 X線検査の市場は以前より右肩上がりが続いており、今後もさらなる拡大が見込めると思いますので、今回お話しさせていただいた内容を含め、規模拡大に向けた取り組みを順次進めていきます。 本日はお忙しい中ありがとうございました。所在地 :U R L :事業内容 :東京都新宿区https://www.toshiba-itc.comパワーエレクトロニクス、メカトロニクス、X線非破壊検査システム、産業・公共向け各種制御システムのエンジニアリング/開発/設計/製造/工事/保守サービス、および販売。東芝ITコントロールシステム株式会社・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・図表1 X線検査装置のラインアップ写真1 マイクロフォーカスX線CTスキャナ『TXScanner』写真4 エキスパートモードの画面表示写真3 スマートモードの画面表示写真5 円筒型リチウムイオン二次電池向けX線検査装置『X's-BT150』写真2 「TXCorrection」によるCT画像