ブックタイトルメカトロニクス9月号2019年
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メカトロニクス9月号2019年
8 MECHATRONICS 2019.9プラスチックに配合するだけで産業用IoT向け無線ソリューション『Sushi Sensor』の第二弾として親水性汚れと疎水性汚れの両方の付着を抑制する新素材を開発無線圧力センサ/温度センサを用いた設備監視ソリューションを開発・発売 三菱電機(株)は、帝人(株)のグループ関連会社であるマーベリックパートナーズ(株)と共同で、プラスチックに配合するだけで、砂塵やほこりなどの親水性汚れとすすや油煙などの疎水性汚れの両方の付着を抑制する新素材『デュアルバリアマテリアル』を開発した。 同素材は、親水性素材(親水性ポリマー)と撥水撥油効果のある特殊疎水性素材の2つの素材を混ぜ合わせ、親水性と疎水性の両方の汚れを抑制。プラスチックの原料に配合し成形するだけで、2つの素材の溶融粘度の違いと素材同士の親和性により、プラスチックの表面に高濃度で露出する。成形したプラスチックの表面に汚れが付着しても、同素材の親水性部分と疎水性部分の両方に触れて不安定な状態となり、汚れの付着を抑制。掃除(お手入れ)の頻度を低減するとともに、機器の性能維持に貢献する。 横河電機(株)は、同社製「OpreXブランド」のラインアップである産業用IoT 向け無線ソリューション『SushiSensor(スシセンサ)』の第二弾として、無線圧力センサと無線温度センサを用いた設備監視ソリューションを開発し、国内で発売した。 同ソリューションは、従来の振動/表面温度データに加え、圧力と広範囲の温度データをオンラインで容易に収集できる。プラント内の多様なデータに基づく設備の状態監視が実現し、設備の点検工数の削減、設備異常の早期発見が可能になる。同社では、『Sushi Sensor』のデータとAI /機械学習を組み合わせることで、ユーザー設備の故障予知、保全業務の判断支援などのソリューション提供を予定している。 プラントにおいては、生産性向上や設備保全の効率向上また、家電製品やOA機器、雑貨などに幅広く使用されるスチレン系、オレフィン系などの汎用プラスチックにも対応。従来の製造工程を大幅に増やすことなく、プラスチック原料の調色工程で配合可能で、外観部品の意匠性も維持し、滑りやすさや防かび性などの他の複数の機能性素材の配合も可能。 家庭用電気製品などに付着する汚れは、見た目のきれいさを損なうだけでなく、メンテナンスを怠ると雑菌の繁殖や性能低下の原因となるなど、様々な悪影響を及ぼす。また、汚れには砂塵やほこりなどの親水性汚れと、すすや油煙などの疎水性汚れがあり、静電気が発生すると付着を助長するという特徴があった。同社はこれまで、性質の相反する親水性汚れと疎水性汚れの両方に効果のあるコーティング材の開発に取り組み、その成果の一部を同社のに対する意識の高まりから、より多くのデータをオンラインで収集したいというニーズは高まっており、配線が困難な場所にも容易に設置でき、有線センサに比べ敷設コストを抑えられる無線センサの需要が増加している。同社は、プラントに設置できる耐環境性に優れた無線センサを導入して、保全効率を高めたいというお客様のニーズに対応し、産業用IoT向け無線ソリューション『Sushi Sensor』を2018 年3 月に発売した。第一弾は、LoRaWANに対応した、振動/表面温度センサ機能を備えた小型無線センサ『XS770A』を用いた設備監視ソリューションだったが、より多様な測定データに基づいて設備の状態監視をしたいというユーザーニーズに応え、無線圧力センサと広範囲の温度を測定できる無線温度センサを新たに開発した。 無線圧力センサは無線通信モジュール『XS110A』+圧力測定モジュール『XS530』、無線温度センサは無線通信モジュール『XS110A』+温度測定モジュール『XS550』+熱電対(別途手配)の組み合わせになっている。ルームエアコンや換気扇などに適用しているが、高度な意匠性を要する外観部品や形状が複雑な部品に対しては、コーティング(水系コーティング)を施すことが困難であるなど、適用できる範囲に限りがあった。 同社では、今秋発売予定のルームエアコンの新商品をはじめ、家電製品など幅広い製品に汚れ対策として順次適用する予定。また、樹脂関連の販売代理店を通じた本素材の外販も予定している。2019.9請求番号J5001請求番号J0004