ブックタイトルメカトロニクス9月号2019年

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概要

メカトロニクス9月号2019年

 6 月5日(水)~7日(金)の3日間にわたり、電子回路関連技術の総合展示会である『JPCA Show 2019 第49 回 国際電子回路産業展』『2019マイクロエレクトロニクスショー 第33 回 最先端実装技術・パッケージング展』『JISSO PROTEC 2019 第21回 実装プロセステクノロジー展』『有機デバイス総合展2019』『WIREJapan Show 2019 電気・光伝送技術展』『SmartSensing 2019』が東京ビッグサイトにおいて開催された。 出展者数は508社、小間数は1,372 小間、3日間の総来場者数は合わせて44,110 名に上った。■メニュー通り進めるだけで 基板設計が完了 (株)ニソールでは、メニュー通りに進めることで基板設計を簡単に行える、初心者でも使いやすいプロ用のCAD『俺のCAD』を紹介していた。 UIを革新し、基板設計手順ノウハウをメニューとして操作をより簡単に使いやすさを追求した製品で、基板設計工程が16 個のアイコンになっている。簡単、明解なマウス操作が可能で、電子機器開発の初心者向けの試作開発用としての利用だけでなく、電気のものづくりを目指す全国の学生の学習としての利用も考慮し、CAD操作を極端に簡単にするために両面基板(2 層)に特化して操作性を重視。また、簡単回路図エディタを搭載しているため、簡単に回路図を作成可能で、ネット情報はそのまま基板設計に引き継がれる。さらに、従来は様々な手順が必要であった製造データ(ガーバーデータ、NCデータ、マウントデータ)の出力についても、ワンタッチで行うことができる点も大きな特徴となっている。■伸縮だけでなく、 部品実装も可能なフレキシブル基板 沖電線(株)では、フレキシブル&ストレッチャブルで、部品実装も可能な「伸縮FPC」を紹介していた。 これは基材が伸縮するフレキシブル基板で、導体を載せたベース側の伸縮基材と、絶縁皮膜の伸縮基材を組み合わせた製品構造。従来のフレキシブル基板同様に部品実装することができることから、伸縮可能なので人体などの複雑な動作にも追従するうえに、曲面や球体などに這わせた配線が可能である。そのため、用途としては、ウエアラブル機器、医療機器、ヘルスケア機器など幅広い分野が想定され、多くの来場者の注目を集めていた。■製造コストの削減と 製造リードタイム短縮に貢献 シライ電子工業(株)では、プリント配線板の製造プロセス/リードタイム短縮を実現する高精度シンボル印刷用オンデマンドインクジェットプリンタ『G7070S』を紹介していた。 同製品は、堅牢な筐体を採用しており、印刷時の振動を軽減。従来工法が苦手としていた、表面の凹凸が大きい製品も参みや文字潰れがなく印字できる。ガーバデータから直接印刷データを出力可能で、製造コストの削減と製造リードタイム短縮に貢献する。2 次元コードの印刷にも対応し、個別確認用コードとして使用することで製品のトレーサビリティ向上も実現する。 同社製の水平搬送型装置向け自動化装置『ACSys』と組み合わせることによって、自動投入/排出システムを構築することができる。『ACSys』はワークサイズ対応の平積み基板投入/取り出し機であり、ティーチング不要でパッド調整のみで品種切り替えが行える製品で、ブースではこの2 製品を連携したデモ展示を行っていた。■治具製造の内製化、 実装コスト削減を実現 ダイナトロン(株)は、キャスタ付きでどこでも加工できる実装治具加工システム『Meister440-AP』を紹介していた。本製品は、搬送キャリア、フローパレット、バックアッププレート、検査治具、組み立て治具、位置決め治具など、実装工程のあらゆる実装治具作製の内製化を実現する装置。ABS、アクリル、POM、PEEK、アルミニウム、ユニレート、MCナイロン、ベークライト、ガラスエポキシなど豊富な加工材料に対応。スライドドアを採用した省スペース設計で、100V電源を採用。環境にやさしく、安全加工を実現し、ガーバデータから、開口部Vカットの最適化チェックと修正を行う。■ AIでアートワーク設計を効率化 トープロテクノサービス(株)では、東大ベンチャーと共同開発した、「AIを使った基板設計」を紹介していた。 これは、AIでアートワーク設計を効率化する、というもので、いつでも高品質な設計が可能で、同時に多くの設計案を作ることができる。基板の外形、部品(ライブラリ)、ネットを準備すると、それに基づいて、ルールベース型AIによる多数同時設計を実施。AIが部品配置、自動配線を行い、短時間で1000通り以上の設計案を自動生成する。そして、これであがってきた案の中から、過去の設計データから傾向を抽出/構築した機械学習型の「AI 先生」が、設計仕様、製造仕様、ノイズ対策、熱対策などの項目ごとに評価/採点し、高得点のものを選び抜く。設計者(人)と比べると最大約2/3に時間が短縮されるという。■極小径加工を、高速高精度で行う 大船企業日本(株)では、極小径加工用UVレーザ加工機(JOB SHOP 用)『AVIA NX』を紹介していた。 同製品は、波長355nm の高速UV 発振器を搭載し、プリント基板、その他材料の極小径加工を、高速高精度で行う装置。材料、目的別にレーザ源を選択可能で、2軸構成により、同時に2つのワークを高速加工。10~30μmの極小径加工に対応する。自社開発CNCにより、快適な操作性を実現している。 同展示会の次回開催は、2020 年5 月27日(水)~29日(金)の3日間、青海展示棟全ホールにて予定されている。2019年6 月5日(水)~7日(金)東京ビッグサイト(一社)日本電子回路工業会(JPCA Show)/(一社)日本ロボット工業会(JISSO PROTEC)■ 会 期■ 会 場■ 主 催JPCA Show 2019JISSO PROTEC 2019(第21回実装プロセステクノロジー展)MECHATRONICS 2019.9 49実装治具加工システム『Meister440-AP』ニソールのブーストープロテクノサービスのブース「伸縮FPC」に関する展示シンボル印刷用オンデマンドインクジェットプリンタ『G7070S』と水平搬送型装置向け自動化装置『ACSys』を組み合わせたデモ極小径加工用UVレーザ加工機(JOB SHOP 用)『AVIA NX』