ブックタイトルメカトロニクス9月号2019年
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メカトロニクス9月号2019年
MECHATRONICS 2019.9 45日本の産業構造の変化にともなう電子機器分野の話題商品を追う第15回 <電子機器の重量価格比とは?>ドライブ、Blu-rayドライブも搭載されるようになり、これらを薄型化することによってノートパソコンの薄型が達成できた。1-3 小型化競争 カメラ一体型VTR(アナログ)は当初、肩に担いで撮影するもので結構、大きな機器であった。 子供の成長記録にということで、家庭用として普及し、運動会シーズンとなると我が子の活躍ぶりを撮影するために肩に担いでお父さんが撮影するのが当時の風物詩であった。 ずっしりと重いカメラ一体型VTRを小型化して、当時の日本のパスポートサイズにしたのはソニーであり、CCD-TR55(重量790g)(写真4)の型番で話題商品として登場した。 当時のパスポートサイズまで小型化したのである。高密度実装を達成するために0.6mm の薄物4 層多層プリント配線板が採用し、両面に約2,200個の微小チップ部品や半導体デバイスが搭載された。 小型競争が進展したため、その後、電子機器のサイズの概念が表4に確立されていった。2. 電子機器の重量価格比 さて、様々なポータブル機器が登場し、中には話題商品となり、日本のみならず世界で売れた機種が出現した。 電子回路基板は高精細な回路を形成するとともに層数も多層化して表面実装部品を高密度に実装していった。 高速・高精度の表面実装機も開発され、高密度実装を支えた。これらは日本が得意とする分野であった。 様々な電子機器の登場により、何か新たな切り口で比較することができないかと考えたのが、サイズ/重量と販売価格から表5に示すように機器ごとの“ 重量価格比”と“ 体積重量比” の算出である。1) “ 重量価格比”や“ 体積重量比(比重)”などの調査は約450 機種の電子機器におよんだが、表5はその中の代表的な機種をリストとしたものである。重量価格比で、一番高いのがカスタム製品でもあるが、“ ペースメーカ”と“ 補聴器”であり、1g 当たり10 万円以上にもなる。 同じ機種で、例えばノートパソコンは、“ 重量価格比”が極端に異なる場合がある。 その場合は、何か新しい実装技術を採用していると疑って詳細を調べていくと面白い事実が分かる場合がある。 例えば、筐体にマグネシウム合金を使っているとか、バンプ方式接続配線板を使っているなどが分かることがある。 以上、切り口を変えた方法で電子機器の話題商品を観察した結果である。他の製品の“重量価格比”を比較してみると電子機器の位置付けが分かって面白いかと思う。 見方を変えて観察すると思わぬ新しい事実が分かり、傾向分析に参考になるかと思う。<参考資料>1) 青木正光、“PWB/銅張積層板の技術・市場動向” 表面実装技術 Vol.7 No.6 p4(1997)No. 代表的な電子機器の種類重量価格比 (円/g) 体積重量比 ( 比重 )1 ペースメーカ126,923 1.992 補聴器116,364 0.603 携帯電話(デジタル) 532 0.974 カメラ一体型 VTR(1) 489 0.805 携帯型情報端末(1) 465 0.926 テープレコーダ431 1.197 携帯電話(1) 402 1.238 トランシーバ362 1.419 ノートパソコン(1) 360 1.0610 パームトップコンピュータ(1) 320 0.8911 電子手帳 301 0.5412 コンパクトカメラ(1) 283 0.8113 パームトップコンピュータ(2) 268 1.1014 携帯型情報端末(2) 255 0.9915 サブノートパソコン(1) 254 0.8616 ミニディスクプレーヤー252 1.1317 携帯電話(2) 247 1.2618 コンパクトカメラ(2) 239 0.7219 ミニノートパソコン236 1.0220 カメラ一体型VTR(2) 232 0.4221 サブノートパソコン(2) 211 1.0122 ポケットワープロ204 0.8023 コンパクトディスク183 1.2424 ファクシミリ(1) 177 0.9325 液晶カラーテレビ165 0.8326 ワープロ(1) 163 0.6927 シェーバー154 1.2428 ノートパソコン(2) 149 0.6429 ファクシミリ(2) 132 0.9430 プリンタ(1) 128 0.9331 ワープロ(2) 110 1.6332 プリンタ(2) 100 1.1833 カードサイズラジオ100 1.5234 ノートパソコン(3) 73 0.78●電子機器の中で重量価格比の最も高いのは”ペースメーカ”、”補聴器”( 10万円以上/g)●No.20 はパスポートサイズのカメラ一体型 VTR(CCD-TR55/Sony)、No.34 はノートパソコンの元祖(DynaBook SS001/ Toshiba)を示す。いずれも1989 年に発売された。●他の製品の重量価格比自動車2 円/g 牛肉4円/g 百円ライター8 円/gリードフレーム3 円/g エンジン4~5円/g 超ミニ傘20 円/g電子機器のサイズデスクトップサイズ→ラップトップサイズ→ノートブックサイズ→サブノートブックサイズ→ミニノートブックサイズ→パームトップサイズ→パスポートサイズ→財布サイズ→ポケットサイズ→ポケットティッシュサイズ→カードサイズ→ 44mm(Toshiba)→ 43.0 → 42.0→ 39.4→ 38.0 → 36.4→ 36.0→ 35.0→ 34.0→ 33.0(NEC)→ 32.6→ 32.0→31.0→ 29.9(Dell)→ 29.5→ 29.2→ 28.5 → 28.2 → 28 → 27.1(Fujitsu)→ 26.5→ 26.4(Fujitsu)→ 26.0→ 25.8 →25.7(NEC)→ 25.5→ 25.4(Dell)→ 25.0(NEC/Dell)→ 24.7(Fujitsu)→ 24.6(NEC)→ 24.5(Panasonic)→23.9(NEC)→ 23.7 → 23.5 → 22.9(NEC)→ 22.8 → 22.7(Dell)→ 22.6(NEC)→ 22.2→ 22.0(Panasonic)→ 21.2→20.8(Dell/Mouse)→ 20.0→ 19.8(Fujitsu)→ 19.5(Panasonic)(光学ドライブ搭載 /Toshiba)→ 18.9(ASUS)→18.5(NEC)→ 18.45(ASUS)→ 17.9(DynaBook)→ 17.7(Lenovo)→ 17.6(ASUS/Lenovo)→ 17.0(NEC/VAIO)→16.9(NEC/ASUS)→ 16.8(LG)→ 16.6(Sharp)→ 16.5(Dell)→ 16.0(Lenovo)→ 15.9(ASUS)→ 15.8(Dell)→15.7(ASUS)→ 15.5(NEC/Fujitsu/HP)→ 15.4(DynaBook)→ 15.1(VAIO)→ 15.0(VAIO)→ 14.9(Toshiba)→14.5(Microsoft)→ 14.3(HP)→ 13.9(Sony/ASUS)→ 13.7(Sharp)→ 13.0(Microsoft)→ 12.9(ASUS)→12.5mm(HP)→ 10.9mm(ASUS)真4 カメラ一体型VTR(Sony/CCD-TR55)表3 ノートパソコンの薄さ推移表4 サイズの概念表5 電子機器の重量価格比