ブックタイトルメカトロニクス9月号2019年

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概要

メカトロニクス9月号2019年

MECHATRONICS 2019.9 11所在地:U R L:事業内容:横浜市都筑区https://www.koh-ken.jp表面処理事業、商品販売事業、自社製品事業、OEM事業。株式会社 コーケン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 次に商品販売事業ですが、こちらはイタリアのブレーキパーツメーカーであるbrembo(以下、ブレンボ社)の正規代理店になったことでスタートした事業です。同社のブレーキパーツ販売をはじめ、オーバーホール受付けやテクニカルサポートなどのカスタマーサービスを行っています。 自社製品事業については、基本的に商品販売事業とリンクした展開でスタートしています。商品販売事業として取り扱っているブレンボ社の商品は、イタリア製で日本とは仕様がことなり、そのまま日本製のバイクに取り付けることができません。そのため日本でブレンボ社の商品を販売していくには、日本製バイクへの取り付けを可能にする部品を開発する必要がありました。なるべくアルミニウム製で設計をし、当社の特徴であるアルマイト処理を全面に押して、必要なパーツを自社で開発/製造/販売しています(写真4)。 また、ブレンボ社関連以外にも、他製品とのコラボレーションを行っている当社ブランドのパーツもあり、最近ではそういったオリジナルパーツも徐々に増えてきています。 最後にOEM事業については、こちらもバイク関連が多いのですが、3D-CAD/レーザマーカ/3Dプリンタなどを使い、メーカーやオリジナル製品を展開したい企業/店舗等の開発から製造まで一貫してお手伝いしています。バイク関連以外では、アルミニウムの筐体やカバー等、工業製品も手掛けた実績があります。 売上率としては、商品単価の高い商品販売事業が一番になりますが、利益率では自社工場で行っている表面処理事業がやはり一番上になっています。 表面処理事業において新たな取り組み を展開されているようですが、どのよう な内容かお聞かせください二宮 : 専用の段ボール箱を購入していただき、その段ボール箱にアルマイト処理を希望されるアルミ製品などを入れて送るだけの簡単なオーダーシステム『光研アルマBOXシリーズ』という画期的なサービスを展開しています。個人の方が、アルミ製品で色を変えたいと思った時に、依頼先や価格など色々と分からないことがあると思います。このサービスのシステムは、専用の段ボール箱を購入するだけです。往復の送料を含むすべての代金がその段ボール箱の価格に含まれているため、非常に安心してご利用いただけるシステムになっています。 段ボール箱の種類は、用途に応じて全35種類を用意しており、それぞれ中に入れるアルミ製品の点数には制限があるなど、ちょっとしたルールは存在します(写真5)。また、非常に小さいパーツや少量オーダー用として、ポスト投函が可能な専用の封筒『光研アルパックシリーズ』もラインアップしているので、お手軽にご利用できます(写真6)。 専用の段ボール箱や封筒は、当社の通販ページ(http://www.kohken-direct.com)や主にバイクショップなどの取り扱い店でも購入できます。箱の中には「注意書き」、「同意書兼注文書」、「チェックシート」、「当社への専用送り状」などの必要書類が入っており、納期は当社到着後1週間程度になっています(写真7)。 このサービスをはじめたきっかけとしては、釣り具のリールを取り扱うショップのサービスに箱に入れてリールを送るとメンテナンスを行い、調子を良くして戻してくれるというサービスがありました。それがヒントになっています。同じように、お客様の品物を預かって付加価値を付けて戻すという点では似たようなサービスなので需要が見込めると判断し、2014年2月に承認された「経営革新計画」の一環としてスタートしています。 ターゲットにしているのは、やはり個人の方が対象になっていますが、最近ではどこから情報を得たのか分かりませんが、大学などの研究機関や大手企業のR&D事業部からもオーダーをいただくケースがあります。さらにこのサービスは、表面処理事業部だけでなく他の事業部ともリンクさせているので、ある意味会社全体で展開しているサービスになっています。 今後の展開についてお聞かせください二宮 : 現状では、自社製品の輸出に力を入れています。特にアジアへ向けての輸出をすすめています。アジア市場は活気づいているのと“メイドインジャパン”が非常に人気になっている状況です。また、ブレンボ社の商品や日本製のバイクも人気になっているため、日本と同じようなニーズは必ずあります。すでに、台湾、タイ、ベトナムには当社の代理店があり、順次アジア各国に増やしていく予定です。 それから、自社工場も現在の所在地に移転してから大幅にキャパが増えており、これからどんどん伸ばしていくために、新規開拓に力を入れていきたいと考えています。そのために、需要が見込めそうな製造業のものづくりに関連する展示会への出展を計画しています。基本的には関東圏が中心になっていきますが、今年は神戸と九州で開催される展示会にも出展を検討しています。 当社のアルマイト処理は、バイク関連市場での需要が非常に多くなっていますが、それ以外の幅広い分野においても必ずニーズはあると思っています。ただ、そういった需要を発掘しきれていない部分があるので、展示会を通じてお客様が抱えている様々な問題を投げかけていただき、それを新たなビジネスチャンスに繋げていければと考えています。展示会場において、実際に当社の技術や製品を多くの方に見ていただき、「これができるなら、あれもできるのでは」といった率直な意見が聞けるような場をイメージしています。 アルミニウムは、非常にポピュラーな金属でどこにでも使われているため、まだまだ様々なアルマイト処理の可能性を秘めていると思いますし、どのようなビジネスチャンスに巡り合えるか我々も期待しています。ただ、新規案件は困難な条件内容のものが多く、技術的に現状の体制では対応の難しい場合もありますが、まずは当社工場で色々な検証などを行い、最適なご提案ができるような体制を目指していきます。さらに、今回最適なご提案ができなくても、次に繋げられるような環境づくりも進めていきたいと考えています。 本日はお忙しい中、ありがとうございました。写真5 『光研アルマBOXシリーズ』専用段ボール箱の一例写真6 『光研アルパックシリーズ』写真7 『光研アルマBOXシリーズ』の施工例(ビフォー/アフター)写真4 自社製品事業で開発したオリジナルパーツの一例