ブックタイトルメカトロニクス1月号2019年

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概要

メカトロニクス1月号2019年

8 MECHATRONICS 2019.1可搬重量10kgに対応した航空/宇宙/電気自動車などの産業向け部品加工での活用に期待される産業用スカラロボットの受注を開始高輝度青色半導体レーザ搭載複合加工機を開発 エプソンは、産業用スカラロボット(水平多関節ロボット)「LSシリーズ」の新製品として、可搬重量10kgに対応した『LS10』を2018 年11 月15日より日本国内での受注を開始した。 本製品は、モータユニットのバッテリレス化を実現。従来の「LSシリーズ」は、モータの原点位置情報を記憶するため、バッテリを使用していたが、今回バッテリレス化により、メンテナンス時間や装置のダウンタイムが減少でき、バッテリ交換費用も不要になった。そして、ロボット本体に搭載されているユーザープレートに、カメラケーブルを接続できるLANポートを配置し、モバイルカメラの設置性を改善。さらに、M/Cケーブルはロボット本体とは固定の爪付きのコネクタで、M / Cケーブルを固定する板金はつまみねじで固定されているため、工具なしで着脱ができ、 NEDOプロジェクトにおいて、国立大学法人大阪大学、ヤマザキマザック(株)、(株)島津製作所は、高輝度青色半導体レーザ搭載ハイブリッド複合加工機を開発した。 本ハイブリッド複合加工機には、NEDOプロジェクトの成果をもとに(株)島津製作所が2018 年1 月に製品化した出力100W の高輝度青色半導体レーザ光源を組み込んだマルチビーム加工ヘッドを搭載している。3台の高輝度青色半導体レーザ光源それぞれから出力されるビームをマルチビーム加工ヘッドで重畳することによって、集光位置での出力300Wを実現した。これは、純銅粉末を溶融させるのに十分なパワー密度であり、高効率で高品質な純銅の溶接/積層が可能となる。また、本ハイブリッド複合加工機は、切削5軸加工とレーザ加工を合わせて行うことができる。純銅と他の金属材料の異種材料接合も容易ロボットの設置/交換が簡単に行える。また、今回同製品用に、新たにロボット専用コントローラとして『RC90-B』を用意し、さらに利便性を向上している。 産業用スカラロボット「LSシリーズ」は、シンプルな組み立て作業や搬送工程などに適している。また、利便性の高い専用コントローラにより、ロボット動作の設定や、管理が簡単に行える。「LSシリーズ」は、現在発売中の可搬重量3kg 対応『LS3』、6kg 対応『LS6』、20kg 対応『LS20』に本製品を加え、ラインアップを充実。 本製品は、複雑なハンドでの高可搬対応も可能で、電気/電子部品や自動車部品メーカーなどでの部品の搬送や組み立て用途として利用でき、アーム長は600/ 700/800mm、Z 軸長は200 / 300mm の各モデルを用意し、作業スペースや用途に応じて選択できる。であり、切削加工との工程集約が可能となることから、純銅表面をコーティングして放熱性を向上させた高放熱部材など、航空/宇宙/電気自動車産業で必要となるエンジン周辺部品などの加工で活用が期待される。 青色半導体レーザは、金属に対する吸収効率が高く、従来の近赤外線レーザでは困難だった金や銅などの加工に適しているため、金属向け次世代加工機の光源としての応用が期待されている。特に銅素材ついては、銅が高い放熱性をもつことから、航空/宇宙/電気自動車など多くの産業で加工の実現が期待されている。しかし、これまで青色半導体レーザは、高輝度化などが課題で、複合加工機への搭載は元より、レーザ加工機への搭載も進んでいなかった。 今後は、ヤマザキマザック(株)が本ハイブリッド複合加工機の生産ライン整備などを経て、2019年の製品化を目指していく予定。2019.1請求番号A5001請求番号A0004