ブックタイトルメカトロニクス1月号2019年
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メカトロニクス1月号2019年
10 MECHATRONICS 2019.1 御社の概要についてお聞かせください澤入 : ドイツにある本社は1975 年に設立し、主に自動車用のケミカル剤を中心とした事業でスタートしてエレクトロニクス業界へと拡大してきています。日本市場においては、代理店による事業展開を行っていましたが、あまり大きく活動できている状態ではなく、今後の市場成長を見込んで2013 年1 月に日本法人を設立しています。 エレクトロニクス業界においては、本社のあるドイツを中心にヨーロッパで事業を展開していましたが、最初に法人を設立してグローバル展開したのがアメリカでした。アメリカでは、2000 年の少し前に事業展開をスタートさせ、次に選ばれたのが中国になります。中国では、2004 年から事業展開をスタートしており、ちょうど各国メーカーなどの製造拠点が中国に集まってきた時期になると思います。そして、次にマレーシアが選ばれ、日本が今のところ一番新しい法人の位置づけになっています。 元々エレクトロニクスの市場は、世界的にみてもヨーロッパ圏やアメリカ圏が代表的な地域とされており、アジア圏においては日本が一番強いとみられていますが、ではどうして日本法人が最近まで設置されなかったのかという疑問が残ると思います。私自身も日本法人設立の頃に聞いた話になりますが、アメリカに進出する前に実は日本に進出していたことを知らされました。まずは、代理店での事業展開をスタートさせたようですが、製品展開が上手く行かず、法人を設立するには至らなかったようです。 上手く展開できなかった理由としては、おそらく製品の技術力と市場の要求レベルとのミスマッチが原因だと思われます。当社の技術は、その当時とそれほど大きく変わっておらず、日本市場ではそこま ドイツに本社を置き、エレクトロニクス業界向けの高精度洗浄剤を提供するゼストロングループ。その日本法人であるゼストロンジャパン(株)は、今年の5月に新本社社屋を完成させ、日本市場において事業展開を加速させている。今回は、同社の概要と技術、規模を拡大させた本社内に設置されているテクニカルセンターについて、代表取締役 澤入 大道 氏にお話を伺った。代表取締役澤入 大道 氏エレクトロニクス業界の様々な洗浄プロセスに対応する高精度洗浄剤~テクニカルセンターを活用したビジネススタイルを展開~でハイレベルな製品を求めていなかったようです。そのため、日本からは一旦撤退し、先に申し上げました通りアメリカにトライする形になりました。アメリカにおいても、最初から受け入れられた訳ではなく、ある程度の期間を経て状況が変化し、そこからは上手く展開できるようになっています。 アメリカでの事業展開が波に乗り、発展し始めたアジア圏への進出を行い、中国やマレーシアに法人を設立し、その次の展開として日本が候補地に選ばれました。私もその頃の2012年に当社へ入社し、所属はドイツ本社でしたが出向という形で日本におり、後に日本法人の代表取締役に就任しています。 日本法人も来年で6 年目を迎えることになり、スタッフも徐々に増やし、現在は営業が1 名、エンジニアが3名、事務が1名と私を含めた6名の体制になっています。設立当初は、営業を中心に展開していき、営業スタッフがもう少し必要かなと思っていましたが、展開していく中で徐々にエンジニアの方が必要であると実感していきました。 当社では、お客様から色々な課題を頂いて、それに伴う実験を行いながら解答をつくっていくということが多く、そういった解答はやはりエンジニアでなければつくれないと思うので、さらにスタッフが必要だなと考えています。そして、エンジニアがつくった解答を、営業もしくはエンジニアがお客様の所で説明するといった流れが、現状のビジネススタイルにもなっています。 また、我々は外資系企業なので、やはり日本市場には非常に入りにくく、それをどう切り崩していくかが大きな課題でした。まず、事業を引き継いだ代理店が取り引きしていたお客様にアプローチしていき、そこから間口を広げていくことを目標に進めました。色々と苦労しましたが、昨年に大口の採用が決まるなど徐々に成果が見え始め、市場でも我々の製品の情報が広まり始めている状況です。ドイツ本社では、このような状況になるまでもう少し時間が掛かるであろうと予想していましたが、予想以上の早い成果に喜んでいるようです。 そして、今年の5月には現在の所在地である神奈川県高座郡寒川町に日本法人の新本社社屋が完成し、ここには新たな実験装置を備えた広いテクニカルセンターも設置され、さらなる事業展開へと進めてきています。 御社の技術/製品や日本市場への取り 組みなどについてお聞かせください澤入:当社の主力となる製品は、水と混ぜるタイプの洗浄剤で、水で希釈をして使っていく「水系」と呼ばれているものになります。それに対して、当社と競合する企業では、アルコールや炭化水素などを使って洗浄していく「溶剤系」と呼ばれる洗浄剤を主力にしています。 主な洗浄の対象になるのが、フラックスと呼ばれる油汚れのようなもので、これにアルコールや炭化水素などを使うと、容易にきれいになるようなイメージがあると思います。しかし、当社ではそれをほとんど水で行うことを推奨しており、油汚れのようなものに水を主成分とした洗浄剤できれいにするのは、どのように可能なのかちょっとイメージしづらいと思います。 ヨーロッパやアメリカも、最初は溶剤系を使った洗浄が主流でした。ヨーロッパが変ってきたのは、1989 年に「モントリオール議定書」が京都で採択され、フロン/エタンの全廃が決定し、溶剤についてもなるべく使わない方向で動き出したのがきっかけになっていると思います。 日本もヨーロッパと同じく動き出したのですが、水系で上手くできなかった所がいくつかあり、その上手くできなかった所で溶剤を使うとそれが解決できたため、日本は溶剤を使う方向に舵が取られました。ヨーロッパも同じく上手くできなかったのですが、お客様であるマーケット側が溶剤を使い続けることを許さなかったので、メーカー側は開発せざるを得ない状況だったようです。 ただ我々も、最初から水をメインにしてきたわけではなく、洗浄工程の中で洗う部分については溶剤ゼストロンジャパン株式会社