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テクニカルレポート
2018.10.26
IoT実現に欠かせない電子部品
「センサ」
NPO法人 サーキットネットワーク

 

2. 光センサ

 電磁波の中で電波の種類を表すのには周波数を用いるのが普通であるが、同じ電磁波でも光の場合は一般的に波長で表すことが多い。電波は電波法で周波数の範囲が規定されており、ミリ波と呼ばれる波長が1mmより長い電磁波が電波である。周波数でいうと3THz以下の電磁波である(図11)。

 いっぽう、それより波長の短いのが光であり、境界線は赤外線といわれるところからである。光センサを分類すると図12のようになる。

光センサの原理は、光によって引き起こされる電気現象の光起電力効果を利用し、光量に比例した逆電流が流れる性質を利用したものである。特徴としては光量と出力の直線性が良好、応答性が速い、波長400?900nmの広帯域で検出可能、温度による変動が小さい、振動衝撃に強い、小型軽量であるなど多々ある。

 

(1) 光電効果型

 真空中に置いた金属片に光をあてて陽極に高電圧を加えると、光のエネルギーが金属の仕事関数を超えていれば光電子が放出され電流が流れる(図13)。

ここで仕事関数とは物質表面において、表面から1個の電子を無限遠まで取り出すのに必要な最小エネルギーのことである。この時、表面上の空間は真空であるとする。この効果はアインシュタインが光量子を見出した実験としてよく知られている。

 

(2) フォトダイオード

 光起電型の代表的なセンサの一つである。現在光学系のセンサに一番多く採用されているのがフォトダイオードを利用したセンサの一つであるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)、またはCCD(Charge Coupled Device)である。

 フォトダイオードの構造は図14に示すようにpn結合の半導体である。

 接合部には電子エネルギーのスロープがあり、これが内部電位差である。ここに十分なエネルギーをもった光量子(太陽光)が入射すると電子を励起して、電子とホール(正孔)のペアを生成する。内部電位差があるため、電子はn層へ、ホールはp層へ移動する。これにより電流が流れることになる。これが原理である。 

 この原理を利用したCCDやCMOSはイメージセンサと呼ばれ、フォトダイオードを敷き詰めた構造となっている。光を受け発生した電流の処理方法の違いにより、分類される。図15と図16にCCDとCMOSの構造図を示す。

 図より分かるように、CCDはフォトダイオードより出た電荷をバケツリレー方式で順番に出力回路まで運び、一つのアンプで増幅して電圧信号に変換される。

 いっぽう、CMOSはフォトダイオードごとにアンプを備えており増幅を行う。近年は半導体製造技術の進歩によりCMOSを品質良く製造できるようになったため、幅広く使用されている。

 

3. 磁気センサ

 磁気センサは機器の内側で使用されることがほとんどなので、目につくことはないが、IoT社会の実現には重要なセンサの一つとなる。磁気センサはその名の通り磁気を感知するセンサである。

 磁気を利用してセンサにする方法は、直接測定対象物に触れずに済むため、各所で有効利用されている。使用方法や、磁気を感知する方法の違いにより多くの方法が考案されており、温度センサに匹敵するほどの種類がある。磁気の強さの分布とおおよその磁気センサの検知範囲を図17に示す。

また磁気センサの分類を図18に示す。 

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NPO法人 サーキットネットワーク
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