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テクニカルレポート
2014.07.29
身近に見る環境対応の実態 その2
特定非営利活動法人 日本環境技術推進機構 横浜支部

再生可能エネルギー

 2011年3月11日の東日本大震災によって被災した火力発電所の停止、福島原発事故などによって不足した電力に対して計画停電が実施された。人々は、電力の必要性を再認識し、再生可能エネルギーに目を向けるようになった。東日本大震災以降に流れが変わってきた。ここで再生可能エネルギーへの取り組みを写真でもって紹介しよう5)~7)。
 

1.太陽光発電

 東京工業大学(写真34)、JR東日本など(写真35、写真36)では、太陽光発電の導入に取り組んでいる。JRはエコステーションの取り組みがあり、JR四ッ谷駅についでJR平泉駅に太陽光発電が導入されて駅内の電力を賄っている。

写真34 東京工業大学

写真35 JR四ッ谷駅

写真36 JR平泉駅

 

2.風力発電

 今、風力発電は『大容量化』と『洋上化』の大きな流れがある。2012年10月から出力10万kW(100MW)以上の風力発電所を建設する場合には環境アセスメントが義務化された。そのため設置場所の風の状況を調べ、周辺の環境に与える影響を調査するのが必要で、当局の許認可を得て初めて風力発電所を建設することになる。
 風力発電機は約2万点にのぼる部品点数になり、裾野の広い産業となる。日本企業の活躍できる市場でもある。そのような流れの中で、身近に見ることができる小型の風力発電機と太陽光発電パネル併用の街路灯について紹介する。
 防犯対策の一環で、風力発電と太陽光発電パネルを搭載したLED照明を使った街路灯が増えてきている。太陽光を使えば無料で無限であるといったメリットがある。昼間に太陽光発電パネルで電気を充電しておいて夜になれば、風があれば風力発電で、あるいは昼間に充電した電気を使って夜の街路灯として使っている。これは再生可能エネルギーの活用でもある。コンセントフリーでもあると同時にマイコンIC制御回路により、明るさを自動検出して自動的に点灯/消灯する点にある。
 太陽光発電では、太陽が出ている昼間しか活用ができないため、風かあれば昼夜に関係なく発電するため風力も活用した併用タイプの街路灯を見るようにもなってきた。写真37に示すように風力発電の羽根にも色んな種類がある。

写真37 様々な形式の風力発電機

【解説05】環境影響評価とは ? 1997年に成立した法律で発電所、道路、河川、鉄道など13の事業に対して、開発を伴う事業をするにあたり、事業者が環境への影響を調査、予測、評価した結果を公表して、住民や地方自治体から意見を募る手続きで、2013年4月の法改正では、従来の環境アセスメント手続きに加え、事業計画段階で「配慮書」と呼ぶ書類の作成義務が発生した。

以上、身近に見る環境対策について紹介した。多くの環境対応が実施されていることをあらためて理解して頂ければ幸いである。
 

<参 考 資 料>
1. 青木正光、環境規制が加速した『環境調和型実装技術』、エレクトロニクス実装学会誌、Vol.15 No.3 pp169~pp174(2012)
2. 丸山茂徳、『『地球温暖化』論に騙されるな!』、pp59~pp63、講談社(2008)
3. 家電リサイクル法 http://www.meti.go.jp/policy/kaden_recycle/ekade00j.html
4. 田中淳夫、『割り箸はもったいない?<食卓からみた森林 問題>』、ちくま新書(2007)
5. 中川修治、自然エネルギー資源の開発は私たちの文明の新たな段階を切り拓く、アジェンダ−未来の課題−pp56~pp65 第21号 2008年夏号
6. Mr.Ecologistの身近に見る再生可能エネルギー<前編>
~様々な再生可能エネルギー~、JPCA News 3月号 pp2?pp15(2013)
7. Mr. Ecologistの身近に見る再生可能エネルギー<後編>
~再生可能エネルギーの動向と用語・関連法規解説~、JPCA News 4月号pp9?pp18(2013)

 

 

 

 

 

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