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テクニカルレポート
2015.07.24
超低湿庫『スーパードライ』のさらなる進歩
湿度0%の安定保持と長期間のランニングコストの大幅削減を実現し、 半導体・LED・電子部品などの品質・生産性向上に貢献する
東洋リビング(株)

 

  さらに『01シリーズ』では、0%から30%(周囲湿度範囲)間の庫内湿度を、設定した湿度(たとえば15%とか25%)に安定して保つものとなっている(表2)。

表3 フィーダーシリーズ 性能試験結果(無負荷時)

  また最近のクリーン対応としては、工程中に最適なHEPAクリーンシリーズ(HEPAフィルタ付き)や長期・庫内浮遊気体中の有機化合物を水や炭酸ガスに分解し、さらに強力低湿電子ユニットで吸着し、庫内を1~50%に(設定可)保持する光触媒機種を開発。この特性は、光学レンズのクリーン化をはじめマイクロフィルムの酢酸臭除去にも有効である。

 これらを用途別にまとめたものが表4である。

表4

  当社では、低湿度性能(0%安定保持)と省エネ(消費電力)について、旧製品との比較確認をお薦めしている。

 これらの基本要素をもつスーパードライは、従来の半導体・LED以外に

 ●太陽光パネルを複数枚収納できる(幅2m×高さ2m×奥行3m)。大型低湿乾燥庫
 ●リチウムイオン電池の低湿乾燥
 ●食品・薬品の乾燥保持、露付防止
などに実績がある。

 また、高い性能(低湿0%安定保持と省エネ)を基本として大幅な年間使用コストの低減が期待できることに加えて、加熱及び熱風乾燥(ベーキング)をする場合は、中温度60℃かつ1%の『M-Temp』機種を利用すれば半導体・各種電子部品などの脱湿効果が高く、遠心分離器に比べて、すばやく、かつ品質上ストレスを与えずに乾燥効果を効率よく行うことができる。

 また、製造設備の改善として局所クリーン・低湿を行う場合には、機械装置ごと、このスーパードライ方式(たとえば2×2×5m)の局所環境対策も可能となる。効果としては設備費・省エネと低湿効果の効率化を達成することができる。

 さらに、温度を20~30℃の中間帯に保ちながら低湿を行う、電池材料などの高品質保管が可能な低温・低湿(保管庫)装置である『クール&スーパードライ CSD-1402-01』も新開発した。

 リチウムイオン電池用紛体材料やLED、ICなどの半導体部品をはじめ、食品、医薬品などの製造工程中の温度・湿度管理やそれら製造製品の低温・低湿度保管に最適な装置で、従来の装置の除湿ユニットと制御方式の改良により、大幅に性能アップしたスーパードライに新低温機能が付加された最新鋭の低温・超低湿度装置となっている。

 これまで往々にして見逃されてきた低温・低湿保管技術は、高付加価値材料・製品(特に粉体材料)の品質保持技術として注目されてきている。従来のエレクトロニクス材料や部品から医薬・食品はもちろん、最近では、電池材料(粉体)や特殊なセメント材料などの低温・低湿保管の利用も検討されている。

 また、電子ユニット内に光触媒を採用したところにより、空気中の浮遊微細不純物を分解し、かびなどの微生物にも対応した製品が好調であることからも、これからの市場の広がりが予測される。

 さらに、今後ますます高付加価値化していくサブミクロン、ナノオーダーの粉体材料などの品質劣化を防ぐ保管技術も必要になってくる。

 以上、主として大型(1100?級)スーパードライ(超低湿庫)について説明してきたが、中型機種も充実しており(内容積150?~700?)、庫内湿度1%~50%(湿度調節可能)保持の実現と省エネ設計(当社比・電気消費量50%カット)の採用など、時代のニーズにこたえる製品となっている。

 小型機種については、当社が昭和50年に防湿庫を開発して以来、庫内容積25?~120?~240?と充実しており、キャビネットカラーも従来のブラックからホワイトを揃え、研究室、実験室に最適なデザイン構成で、かつ高機能(湿度調節式20%~50%)、高耐久性理化ガラス、ハンドル一体成形扉を採用するなど、高品質・高性能・省エネで貢献できるものと考えている。

 

 

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東洋リビング(株)
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