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テクニカルレポート
2020.06.12
実装プロセステクノロジー
コストパフォーマンスを重視した画像処理・外観検査システム『iVision』のご案内
(株)エーディーディー

 

 

1. はじめに

 

 製品供給メーカーから部品供給メーカーへの品質要求は年々厳しさを増しており、これまで目視による検査を容認していた製品提供メーカーも、自動検査による全数検査の指導が増えている。

 当社においても、製品および部品の検証依頼は、年間100件を超えており、検査の自動化への関心は非常に高くなっている。

 本稿では、検査精度・検査品質の向上、検査人員の効率的な活用を目的とし、コストパフォーマンスを重視した当社製の画像処理・外観検査システム『iVision(アイビジョン)』についてご紹介する。

 

 

 

2. 『iVision』誕生の経緯

 

 当社の画像処理技術への取り組みは、半導体制御用ソフトウエア開発の延長線上において、画像処理検査の課題を頂戴したことに端を発している。

 画像処理用エンジン『HALCON』を使用し、開発効率とコストパフォーマンスの向上を目的として当社が開発した画像処理・外観検査用アプリケーションが、『iVision』である。

 

 

 

3. 『iVision』での検査

 

 『iVision』は、自動車部品メーカー、基板製造メーカー、食品・飲料メーカー、印刷・製紙メーカーなど様々な業種において導入をいただいており、以下のような検査に利用していただいている(図1)。

 

 

図1 『iVision』でできる検査例

 

 

① 形状・寸法検査……形状検査、寸法計測

 

② キズ・打痕検査……キズ、打痕、サビ、割れなどの外観不良検査

 

③ 印刷不良検査……文字のかすれ、文字抜け、色の違い

 

④ 基板検査……PCBの実装状態検査、PWBの寸法検査、基板割れ、キズ、印刷不良検

 

⑤ フィルム検査……シワ、キズ、汚れ、黒点

 

⑥ カートン印字検査……印字不良検査(かすれ、色落ち、製造年月日、汚れ、シワ)

 

 

 

4. 『iVision』の特徴

 

 以下に、『iVision』の特徴を挙げる。

 

●高速検査……10ミリ秒の検査速度。5ミクロン以下の検出も可能

 

●複数同時検査……寸法検査とキズ検査等を同時に行うことができる

 

●カメラの複数台接続……最大12台までカメラの接続が可能

 

●検査の拡張性……新たな検査を追加する場合は、カスタマイズ費用のみで対応が可能

 

●ロールバック機能……カレンダーの日付をクリックすると、その日に設定した検査が呼び出せる

 

●簡単な操作……PCベースで作成されているので、作業者に優しいユーザーインタフェース

 

 

 

5. 『iVision』によるカスタマイズ提案と開発

 

 当社では、『iVision』による、お客様に最適なシステム提案と開発を行っており、業種ごとや現場ごとにおける最適な画像処理検査システムを提供している(写真1、写真2)。

 

写真1 バイク用鍛造部品自動検査装置

 

 

写真2 車載用樹脂部品自動検査装置

 

 

■搬送装置+画像処理検査システム

製品の搬送装置を含めた、画像処理検査システムのご提案をしており、お客様のご要望通りのフルカスタムシステムを実現している。

 

■インライン対応

生産ライン、検査ライン上において、製品検査が行えるよう、画像処理検査システム導入のご提案および開発を行っている。

 

■スタンドアロン

少量の製品検査用装置のご提案も可能で、品質管理部門や研究部門および開発部門における製品検査の検討にもご利用いただける。

 

 

 

6. 基板及び半導体分野への利用

 

 『iVision』の基板製造でのご利用について、PWB(部品未実装基板)においては、外観寸法検査、基板面検査、印刷検査など、PCB(実装基板)においては、未実装、実装部品間違い、クレイジング・ミーズリング、デラミネーション、ピンホール、部品立ち、はんだ不良など、様々な要求に対して、対応している。

 

 

 

7. 新製品のご紹介

 

 また当社では2020年4月に、新製品として、卓上型検査装置『iVisionロボ』、実体顕微鏡による高品位検査装置『iVision Scope』をリリースした。

 

 

1.卓上型検査装置『iVisionロボ』

 

 本製品は、同じ形状のものを検査する場合に、1つずつ手置きしなくても、卓上用の自動搬送ロボットを活用することで、自動的に複数の検査を可能とした装置である(写真3)。

 

写真3 卓上型検査装置『iVisionロボ』 

 

 

 特に、多数個取り基板(PWB)の形状検査および印刷などの検査や、実装基板(PCB)上における部品の取り付け状態の自動検査などには最適である。

 表1に、『iVisionロボ』の基本機能と仕様を示す。

 

表1 『iVisionロボ』の基本機能・仕様

 

 

2.実体顕微鏡による高品位検査装置『iVision Scope』

 

 昨今、検査対象物の微細化に伴って、顕微鏡レベルでの検査を自動化したいという要求が増えている。

 本製品は、検査ステージに置かれた微細検査対象物を、自動搬送し、自動検査を行うもので、μm単位の微細検査を精度良く効率的に検査を行う装置として最適である(写真4)。

 

写真4 高品位検査装置『iVision Scope』 

 

 

 表2に、『iVision Scope』の基本機能と仕様を示す。

 

表2 『iVision Scope』の基本機能・仕様

 

 

 

8. おわりに

 

 以上、『iVision』の特徴、ならびに、その特性を活用した新製品をご紹介した。

 ご興味があればぜひ、お声がけいただきたいと思う。

 

 

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(株)エーディーディー
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