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テクニカルレポート
2020.01.24
台湾最大の実装学会IMPACT-IAAC 2019 @台北
Grand Joint Technology Ltd

 

 

 

1. 秋のIMPACT-IAAC 2019 台北での活気

 

 

 快適な秋の気候の中、台北の南港展覧館において、2019年10月23日(水)~25日(金)の3日間、IMPACT(International Microsystems, Packaging, Assembly and Circuits Technology conference)-IAAC(iMAPS All Asia Conference) 2019実装学会が、ICFPE(International Conference on Flexible and Printed Electronics) 同一会場開催、 TPCA(Taiwan Printed Circuit Association)ショー/台湾電路板産業国際展覧会と同時開催された。

 “IMPACT-IAAC on 5G-Evolution & Revolution"をテーマとしIEEE EPS、IMAPS台湾、ITRI台湾工業技術研究院、TPCA台湾電路板協会が主催、日本のエレクトロニクス実装学会のICEPを含めた9つの組織が共催、さらに5つの企業からの特別セッションサポートとなった(図1)。

 

図1 IMPACT イメージ(※)

 

 

 

 会期中、毎朝行われた計6つのプレナリスピーチの後、3日間に及ぶ30セッションの中では78件の招待講演を含んだ計187件(うち33件ポスター)の技術講演があり、総参加者530名(計17の地域からで、海外からは計154名もの参加)による実装討議がなされた(表1)。

 

表1 IMPACTプログラム(※)

 

 


 日本からの参加者数は、台湾についで多く、海外地域からの参加者としては最大の61名(海外での学会でほとんどありえない10%以上の11.5%)であった。

 また企業のスポンサーは19社にも及んだ。

 

 

 


2. 毎朝、素晴らしいプレナリスピーチに始まるコンファレンス

 

 

 10月23日(水)の朝、TPCAショー&IMPACTオープニングセレモニー(写真1)の後、Prof.Fuによるオープニングスピーチ(写真2)でIMPACTが始まった。

 

写真1 TPCAショー & IMPACTオープニングセレモニー

 

 

写真2 Prof. Fuによる
IMPACT-IAAC, ICFPE 2019オープニングスピーチ

 

 

 表彰式の後、 香港科技大学Dr. Ching W. Tang(写真3)から1982年のコダックのパテント、2003年のコダックのカメラ、最近のテレビなどOLEDの歴史を含めた興味深い話“The Past, Present, and Future of OLED Displays“があり、the iNEMI CEO Dr.Marc Benowitzから、“Electronics Manufacturing Challenges and Opportunities: Closing the Gaps via Collaborative Innovation”、E InkのDr.Michael D.McCrearyによる、“The Dramatic Past, Present, and Future of Flexible Electrophoretic Display Technology”、の3つのプレナリスピーチがあった。

 今回は、ICFPEとの共催との関連で、通常の実装学会では聞けない、興味深い、ディスプレイ技術の変遷、推移を、まさにご自分で担当された本人からの話を聞くことができた。

 

 

写真3 IMPACT プレナリ スピーチ 

 


 翌日の24日(木)の朝は、ソニー(株)主席技監の平山照峰氏から未来のための3D実装技術“3D Chip Stacking Technologies for the Future”について、25日(金)の朝は、TSMCのダイレクター Dr.Yujun Liから“Co-Design of Advanced Packaging and Process Technology for 5G Evolution”(写真4)、TechSearch President Jan Vardaman氏,から“New Package Developments for 5G: From Infrastructure to Mobile”(写真5)のスピーチがあった。
 講演の間にはコーヒーブレイクエリアでのポスターセッションも開催された。

 

写真4 IMPACT プレナリ スピーチ聴講(※)

 

 

写真5 IMPACTプレナリ スピーチ 

 

 

 

 


3. テーマにフォーカスされたセッションでの発表論文と参加者

 

 

テーマをしぼった企業フォーラム5、特別フォーラム11の計16の特別企画セッションとして、S1 ウエアラブル4、S2 Form Factor(SPIL) 4、S3 5G(Atotech) 4(写真6)、S7 JIEP 5(写真7)、S10日本の実装学会ICEP 5、S15 Market Trend 4(写真8)、S19 IAAC 4などが開催された。

 

 

写真6 S3 5Gフォーラムでの講演

 

 

写真7 S7 JIEP実装学会セッションでの講演者

 

 

写真8 S15 マーケットトレンドでの講演

 

 


 それ以外の発表内容としては、先端パッケージング、Heterogeneous, 3Dインテグレーション、インターコネクション、先端グリーン材料と工程、熱設計、部品内蔵、パワーデバイスなどが目立った。
 学会参加者は、台湾376名、他のアジア123名(日本61、中国23、韓国14、マレーシア12、香港4、シンガポール4、インド4、タイ1)、北米欧州31名(アメリカ16、ドイツ8、オーストリア2、その他5)の計530名であった(表2)。

 

 

表2 IMPACT参加者(※)

 

 

 

 24日夕方のインターナショナルレセプションでは(写真9)、IMPACT関連の表彰に併せて、日本のICEP実装学会への長年の貢献をたたえて、Prof. Fuが表彰を受けた(写真10)。

 

 

写真9 インターナショナル レセプションの様子

 

 

写真10 レセプションにて ICEP貢献賞を受けるProf. Fu

 

 

 


4. 台湾をさらに好きになるエクスカーションでの友好

 


26日(土)には、台北から南東方向60kmほど、バスで1時間程度のところにある、台湾でも人気の観光地、宣欄(イーラン)を訪問した。
 台湾の伝統文化や芸術を集めた、国立伝統芸術センターでは(写真11)、台湾の古い時代の文化やパレード(写真12)を楽しんだ。

 

 

写真11 台湾の歴史文化に浸る エクスカーション(※)

 

 

写真12 台湾の歴史文化に浸る エクスカーション

 

 

 

 その後、DIY活動/現地体験として宣欄特産品の三星葱(ねぎ)を三星卿の畑で引き抜き、水で洗う。餅皮を伸ばし、とれたてのネギを入れてネギパン葱油餅を各自作って、その場で焼いていただいた。

 素晴らしい地元体験である(写真13)。

 

 

写真13 宣欄特産品青ねぎと、ねぎパン葱油餅作りのDIY現地体験

 

 

 

 また最近、世界でも注目されている台湾ウイスキーKAVALAN蒸留所を訪問し(写真14)、試飲も楽しむことができ、秋の一日、台湾の文化の中をゆっくりと歩み、台湾の方々などとの友好をさらに深めることができた。

 

 

写真14 世界から注目される台湾ウイスキーKAVALAN見学

 

 

 

 

5. 来年もまた参加したいIMPACT 2020 & TPCAショー 2020

 

 

 次回のIMPACT 2020とTPCAショー2020は、2020年10月21日?23日に同じ南港展示場にて開催予定である。
実装技術で盛り上がる台湾にて、日本からもさらにご参加いただき、議論を交わすことができることを願う。

 日本からの参加者数が、海外からでは一番であり、日本と台湾の技術友好関係をまさに示している。
なお、本稿掲載の※印付きの写真、図、表は、TPCA/IMAPCT事務局から提供されたものである。

 

 

<参考URL>
http://www.impact.org.tw

会社名
Grand Joint Technology Ltd
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