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テクニカルレポート
2015.11.27
はんだ付け用フラックス(活性剤について)
(株)クオルテック

 

  フラックス成分で、はんだの接合に関わる成分は樹脂(主にロジン)と活性剤である。図1に示すように活性剤がなくてもはんだは溶融することから、より重要な成分はロジンといえる。しかし、市販されているフラックスで活性剤を含まない製品はない。ロジンだけでは安定したはんだ付け性(ぬれ上がり、溶融性、はんだボール、各種基板や部品電極への対応など)を確保できないためだ。

図1 リフロー後の外観

   したがって、『フラックスで重要な成分はロジンだが、実際に使用するフラックスでは活性剤がもっとも大切』と考える。フラックス設計で活性剤の選択は大変難しく、最大のポイントといっても過言ではない。活性剤選択の何が難しいのだろうか。

1.活性剤は腐食剤……

  これまで述べたようにフラックス最大の役割は母材(部品電極や基板パッド)とはんだの酸化膜を除き、はんだ付けできるようにすることである。銅の酸化膜をフラックス成分が除去する反応式を以下に示す。フラックスは母材のCuを引き出すことで酸化膜を除いていることがわかる。


 母材+フラックス成分→フラックスとの反応物+水
 (CuO+2RCOOH→Cu(RCOO)2 +H2O)
 (CuO+2HCl→CuCl2+H2O)

 ロジンや活性剤により酸化膜が除かれる時、金属はフラックス中に溶出することから、この現象は腐食の一種と考えられる。したがって、活性力の強いフラックスでは、はんだ付け後に残留した活性剤による腐食やイオンマイグレーションの懸念が高まる。

2.活性剤の強弱

  フラックス活性の強さ、すなわち酸化物を除去する能力は『活性剤が多く含まれる』『強い活性剤を使用』の場合に高まる。活性剤が多く含まれれば強くなることはわかるが、強い活性剤とは何だろう。

 第一に、金属と反応する部位(官能基)自体の強弱である。活性剤の効果は酸の強弱を指標にする場合があり、強い酸は活性が良いと考えられる。

 図2に、カルボン酸とハロゲンを例に酸解離定数からみた活性剤の強弱を示す。酸解離定数は酸の強さを表す指標の一つで、pKaが小さいほど強い酸となる。カルボン酸と比較しハロゲン類の値が小さく、カルボン酸の中では分子量の小さい化合物でpKaの小さいことがわかる。

図2 活性剤の酸解離定数

次に化合物の構造から強弱を見てみよう。活性剤は金属と反応する部位(官能基)とそうでない部位に分かれる。そうでない部位は炭素と考えれば良い。

 図3に官能基がカルボキシル基のカルボン酸を例に活性剤強弱の考え方を示す。図3-Aのように官能基が多いと活性力は強く、図3-Bのように関与しない炭素の部分が多いと活性は劣る。

図3 化合物の構造による活性剤の強弱

  以上、活性の強弱は、官能基の強弱および付加数と反応に関与しない炭素の数で決まってくる。以下に、はんだ付け性の良い活性剤の条件を記す。


 ①金属に対する反応性が優れる官能基を有する。
 ②官能基の付加数が多い。
 ③炭素数が少ない。

 

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(株)クオルテック
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