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スペシャルインタビュー
2022.01.13
rueオリジナリティー溢れる独立型太陽光発電システム
〜R&D部門の設置でユニークな製品を開発〜
株式会社電菱
代表取締役、博士(工学) 小林 伸一 氏

■御社のR&D部門についてお聞かせ下さい

 

小林:協力企業などへのデザイン依頼や、私自身の設計によってオリジナリティーを高めていましたが、やはり世界に誇れるオリジナル製品を開発するには、社内にR&D部門を設置して設計力を向上する必要があると考えていました。
社長就任以来、設計技術者の育成などを進めてようやく一昨年の2009年にR&D部門の体制を整えることができました。現在3名のスタッフにより、ユニークでオリジナル性のある製品づくりに取り組んでリリースを行っています。
第一弾の開発製品としては、オリジナルの新構造設計により球面全体が発光するLED電球『L魂』をリリースしました(写真1)。同製品は、球面が全周囲発光することにより、白熱電球のような全方向への光の放射を可能にしました。一般照明から業務用照明まで幅広く使用でき、従来の白熱電球と比べて24時間連続点灯したときの寿命は約40,000時間を実現し、長寿命を得ることができます。デザインに関しては、日本製ということをアピールするため、純和風をイメージしたものになっています。
第二弾として開発した製品は、1台で複数電圧に対応する大型バッテリー充電器『PANCharge1k』をリリースしました(写真2)。同製品は、1台で四つの出力電圧(12/24/36/48V)をボタン操作で簡単に切り換えができ、複数のシステム電圧を利用する場合、電圧ごとに充電器をそろえなくても1台で対応することができます。最大電力1kW出力の大容量で、300Ahの大きなバッテリーも約半日で充電することができ、従来の充電器よりW単価は40~60%の低コストを実現します。安全設計により、万が一、設定した電圧と異なる電圧のバッテリーを接続しても動作しません。ボタン一つで操作が可能なシンプル操作も特徴の一つになっています。

 

写真1 LED電球『L魂』

写真2 大型バッテリー充電器『PANCharge1k』

 

■太陽光発電システムに関する製品についてお聞かせ下さい

 

小林:世界には、まだ電力が通じていない無電化地域が数多くあり、そこには約16億人の方々が生活しているといわれています。当社としても各種電源機器を取り扱う企業として、この約16億人の方々に対して何かできることはないかと以前より考えていました。しかし、なかなかきっかけがなく、太陽電池のシステムアップは日本のメーカーが行っていましたが、バッテリーコントローラなどのソリューションなどは、すでにアメリカやドイツ、中国のメーカーなどが席捲していました。
R&D部門の設置によりこの問題に取り組み、第三弾の開発製品として、太陽電池充放電コントローラ『Solar Amp mini』を開発しました(写真3)。同製品は、回路とアルゴリズムを見直すことで部品点数を大幅に削減し、高信頼性、低コスト、さらには世界最小1mA以下の自己消費電流を実現しました。また、過放電してしまったバッテリーへの回復充電機能をもっているため、万が一の場合でもバッテリーを回復させて、システムを通常復帰させることが可能です。国内を中心とした公共事業などで好評を頂いていますが、海外展開に関しては、ラインアップの問題などからまだもう少し時間が掛かる見込みです。

 

写真3 太陽電池充放電コントローラ『Solar Amp mini』

会社名
株式会社電菱
所在地
東京都荒川区