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スペシャルインタビュー
2022.01.13
rueオリジナリティー溢れる独立型太陽光発電システム
〜R&D部門の設置でユニークな製品を開発〜
株式会社電菱
代表取締役、博士(工学) 小林 伸一 氏

計測器商社から太陽電池事業に参入して、独立型太陽光発電システムや各種電源機器などを取り扱う専門商社/メーカーとして変貌を遂げた株式会社電菱。R&D部門の体制を整えることで、メーカーとしてユニークなオリジナル製品を開発する同社の概要と事業展開などについて、代表取締役 小林 伸一 氏にお話しを伺った。

 

■御社の概要についてお聞かせ下さい

 

小林:当社は、1967年6月に私の父が創業し、当初は計測器商社として事業展開していました。その後、元々技術者を志していた父の「メーカーとしてオリジナル製品を作りたい」という思いから、1976年にアマチュアモービル無線機を設計し、製造/販売を行うメーカーとしても歩み始めました。アマチュアモービル無線機とは今でいうモバイルタイプの無線機で、『FMシリーズ』というブランドで3機種ほどラインアップしていました。
屋外での様々なシーンで使用できるモバイルタイプの無線機には、それに対応した電源も必要になってきます。1987年には、可搬式電源となる太陽電池モジュールに注目し取り扱いを始め、モバイルタイプの無線機とセットで販売を開始しました。当時、新エネルギー問題に取り組んだサンシャイン計画の推進から太陽電池への関心は高まっていましたが、補助金などをもらって設置するといったシステムがまだ確立されていなかったため、様々な製品への応用が考え出されてもマーケット自体小さいもので、なかなか参入しづらい分野でもありました。
1990年頃から、世界に先駆け日本において系統連携システムの補助金制度が開始され、ようやく太陽電池関連のマーケットも少しずつ拡大していきました。ここで当社の経営方針の選択肢が分かれたのですが、当社としても早い段階から太陽電池事業に携っていたため、系統連携システムに参入して公共グリッドに乗る“オングリッド”という事業展開も考えられました。しかし、あえてメーカー志向ということから、オングリットに対照をなす独立型や自立型の太陽光発電といった、連携しないようなシステム機器を取り扱う“オフグリット”での事業展開をとることとしました。
独立型太陽光発電とは、商用の電力系統と連系せずに、太陽電池(ソーラパネル)が発電した電気をバッテリーに蓄えて必要に応じて使用するシステムです。その場で発電した電気をその場で使用することで、燃料の運搬ロスを抑えることができる地産地消の電源システムです。今では、公園や道路などの照明、山小屋の電源、防災設備の電源など様々な分野で使用されています。
携帯電話などの普及から、国内ではアマチュアモービル無線機の市場もほとんどなくなり、当社の事業としても独立型太陽光発電システム関連に注力していくようになりました。当時、パワーMOSFETの発展が著しい時期でもあり、欧州のメーカーからパワーMOSFETをもちいたDC-ACインバータなどが開発され、当社としても海外製品の取り扱いを始めるようになり、充電用コントローラ、インバータ、バッテリ、バッテリチャージャなどの独立型太陽光発電システムを構成する製品全般の取り扱いを行っていきました。
販売形態としては、国内のマーケットはそれほど大きくなくニッチなマーケットだったため、「B to B」だけでなく「B to C」といった通信販売も行っていました。
1995年頃には、インターネットの普及から個人でホームページを作って簡単に宣伝などができるようになり、若い方が自然エネルギーに関する企業を立ち上げるなどして、新たなマーケットが誕生してきました。ここでまた、当社の経営方針の選択肢が分かれたのですが、若い方々の企業群はウエブ技術をアップさせて「B to C」を対象に、とても使いやすい自然エネルギーに特化したサイトなどを構築されていて、私共の出る幕もないと判断し、当社としては、「B to B」を対象にホールセーラとしてスケールメリットの調達あるいは製造をして供給する事業展開をとりました。
この事業展開を指向したのが、私が社長に就任した2001年になります。社長就任後は、“The Ubiquitous Energy Company”という企業テーマを作って、自然エネルギーに関する若い方々の企業をサポートしながら、以前より考えていたR&D部門の強化を図っていきました。

会社名
株式会社電菱
所在地
東京都荒川区