ビジネスコミュニケーションを加速する
BtoB ニュース専門サイト | ビジコムポスト

スペシャルインタビュー
2022.07.05
パワーと性能をさらに向上した一体型ACサーボシステム
〜視点を変え時代にマッチする新モデルを発表〜
マッスル株式会社
代表取締役社長 玉井 博文 氏

一体型ACサーボシステム『COOL MUSCLE』を主力製品に、産業分野だけでなく医療や介護分野など、幅広い分野に活躍の場を広げているマッスル株式会社。今回は、同社の事業展開と最近発表した新製品『COOL MUSCLE 3』シリーズの概要や特徴などについて、代表取締役社長 玉井 博文 氏にお話しを伺った。

 

■御社の事業展開などについてお聞かせください

 

玉井 : 当社ではモータビジネスに力を入れ、革新的なモータづくりを目指して色々と励んできました。

当社の主力製品である“COOL MUSCLE(クールマッスル)”は、ソフトウエアを重視した新たなコンセプトで、業界に提案していくことを目的に開発しており、ソフトウエアを活用した課題解決や今までにない新しい機能を実現します。また、モータ制御に必要なドライバ、コントローラ、エンコーダといった機器をすべてモータと一体化し、ネットワークに接続することができます。

初期モデルとなる『COOL MUSCLE 1』は、2000年前後に国内外で発表しており、すでに20年ほどの月日が経っています(写真1)。当時、我々が調査した結果では、このようなタイプの製品を開発したメーカーはほとんどなく、アメリカに数社とアジアではおそらく当社だけであったと思います。

写真1 一体型ACサーボシステム『COOL MUSCLE 1』

 

 

その中で、アメリカのメーカーと色々と競争していきながら、我々の製品を採用していただくことで、徐々にファンを増やしていきました。その結果、一体型のACサーボシステムにおいて、トップシェアを取れていたと思っています。

そして、『COOL MUSCLE 1』を発表した7年ほど後に、今度は『COOL MUSCLE 2』を発表しました(写真2)。『COOL MUSCLE 2』は、『COOL MUSCLE 1』ではパワーが足りないような、少し大きな機械などに対応する製品として開発しています。これにより、数ワット〜数百ワットまでのラインアップが用意できたため、ほとんどの機械やロボットを動かせるような体制が整えられ、様々なニーズにチャレンジしていきました。

写真2 一体型ACサーボシステム『COOL MUSCLE 2』

 

 

また、事業を展開する分野に関してですが、産業用ロボットという分野では、まだ依然として日本が世界シェアの過半数を占めており、そのほとんどが国内の大手ロボットメーカーによるものになっています。少なくとも産業用ロボットでは、日本はロボット大国と呼ばれていると思います。

ところが、工場以外で使用されるサービスロボットや医療用ロボットなどについては、まだまだロボット大国と呼ばれる域には達していないと思われますし、各社トライアルで色々とチャレンジしてきましたが、なかなかヒット作が出てきていないのが現状です。

当社としては、この分野をなんとか発展させていきたいと考えており、以前から色々と取り組みを行ってきました。特に、医療機器や介護機器に関しては少し複雑な分野で、欧米や日本などの先進国が牽引していかなくてはいけない市場であると考えています。そのため、我々としては医療機器や介護機器に注目し、先進国としての今まで積み上げてきたノウハウや経験を活かし、規制や規格などの少し複雑な部分を解決しながら、事業を展開しています。

その中で介護機器に関しては、日本が先導して安全規格などをつくっていこうという取り組みが進められており、一般社団法人日本福祉用具生活支援用具協会(JASPA)が事務局を務め、国内の大手ロボットメーカーや有識者/政府関係者などによる組織委員会が設けられています。当社も、その委員会のメンバーとして国際標準へ向けた提言をさせていただいています。

それから当社の製品展開については、“COOL MUSCLE”シリーズも最初の発表から20年ほどが経ち、その間我々は、モータ軸から先に接続させるユニットやアクチュエータなどに取り組み、さらにはそれらを集積しロボットとして構築したらどうなるか、あるいはすでに存在する機械に適用したらどうなるかなど、少しずつレイヤーを上げてきました。

しかし最近では、色々と見直す時期に来たのかなと考えるようになりました。製品自体の売り上げは、まだまだ徐々に伸びていますが、今まで積み重ねてきた経験を活かしながら少し視点を変えることで、「今、モータには何が求められているのか?」といったことを感じるチャンスが生まれてきました。

それがきっかけとなり、今までのコンセプトを守りながら、現状求められている様々なニーズに対応した製品の開発をスタートさせました。そして発表したのが、『COOL MUSCLE 3』シリーズになります(写真3)。“COOL MUSCLE”シリーズの新たな主力製品として、FA分野も勿論ですが医療機器や介護機器分野など幅広い分野での展開を目指していきたいと思っています。

写真3 一体型ACサーボシステム『COOL MUSCLE 3』シリーズ

会社名
マッスル株式会社
所在地
大阪市中央区