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スペシャルインタビュー
2022.01.15
循環型社会への構築に貢献する環境関連装置
〜効率的なリサイクルシステムを実現〜
株式会社共立
代表取締役社長 上野 賢美 氏

■環境関連事業への取り組みについてお聞かせ下さい

 

上野:最初に手掛けたのは、食品残渣のリサイクルシステムを使ったエコフィード事業への参加でした。これは、食品業者が出す食品残渣などを分別して乾燥させ、肉豚飼育用飼料(エコフィード)を製造するリサイクル事業で、2007年に食品リサイクル法が改正されたことにより、食品業者に課せられた食品のリサイクル実施率を向上させる取り組みでした。

写真1 ミクロ・ソイファイバーへの流れ

写真2 小麦粉などの増量剤として利用

 

当社の乾燥機は間接加熱を採用しており、直接加熱と比べて飼料が焦げないという特徴などから、このエコフィードをつくるのに適していると認められ、兵庫県加古郡において2008年に経済省の「新連携」のプロジェクトに参加し、製造設備の開発を一手に任されました。このプロジェクトが2008年度『食品リサイクル推進環境大臣賞』の最優秀賞を受賞し、当社の製品も高い評価を受けることができました。これがきっかけとなり当社のエコフィードシステムも確立し、現在大型システムでは、全国で6件ほどのエコフィード事業に参加しています。

そのほかにも、食品をつくる取り組みも行っています。廃棄物として大半が処理されていたおからに注目し、食品としてリサイクルする『おからの機能性食品化事業(ミクロ・ソイファイバー)』を、2009年から農業・食品産業技術総合研究機構の委託事業認定を受けて進めています。

これは、おからをパウダー状の粉末(ミクロ・ソイファイバー)(写真1)にする技術を開発するとともに、この粉末の安全性を検証し、大半が飼肥料として利用されるか産業廃棄物として処理されていたおからを、食品として有効利用していこうという取り組みです。当初は、パンやクッキーに使用させる小麦粉などの増量剤として利用しようと考えていましたが、実際につくっていくと高い機能性があることに気付かされました(写真2)。ミクロ・ソイファイバーを使ってパンなどをつくると、繊維質や栄養価の高いものができるため、病院食などへの展開も期待できるようになりました。また、おからだけでなく、りんごや桃のジュースにした搾りかすを活用することで、現在輸入などに頼っている香料用パウダーをつくることも可能です。

それから、バイオマスや循環型社会に着目したエネルギー事業にも注力しています。エタノール/エマルジョン/メタン発酵とすべて手掛けていますが、エマルジョンに関しては他社と提携して進めています。さらに、乾式のメタノールについても事業を進めている状況です。

会社名
株式会社共立
所在地
神奈川県相模原市