ビジネスコミュニケーションを加速する
BtoB ニュース専門サイト | ビジコムポスト

スペシャルインタビュー
2022.06.12
アジアにフォーカスした 事業戦略を推進するため 日本支社を株式会社化
~製品販売だけでなくサポートビジネスにも強化を図る~
シュメアザール株式会社
代表取締役社長 堀本 哲也 氏

安全に関わるドアスイッチ・コントローラ・ライトカーテンなどをメインにグローバル展開しているSchmersal社。今回は同社の概要と、日本国内では今まで日本支社として行っていたビジネスを、新たにシュメアザール株式会社を設立したことにより、どのように変化していくのかなどについて、代表取締役社長 堀本 哲也 氏にお話を伺った。

 

■Schmersal社の概要とグローバルな展開についてお聞かせください

 

堀本 : Schmersal社はKurt Andreas Schmersal氏とErnst Schmersal氏の兄弟により、1945年にドイツのヴッパータールで設立されました。事業としては、設立当初より安全関連用途で使用されるスイッチなどを中心に展開しており、その後も技術の進化に合わせながらその時代にマッチする製品を手掛けていき、1970年代には電子式近接センサを開発/製造しています。

1982年には、世代交代で先代の息子にあたるHeinz Schmersal氏とStefan Schmersal氏が事業を引き継いでいます。

そして1997年に、ドイツのヴェッテンベルクに拠点を置くElan社を買収し、Schmersalグループ傘下に入っています。Elan社は1952年に設立され、Schmersal社と同じような製品群を取り扱っていました。現在では、すべてのElan製品がSchmersalブランドに一元化されています。

2007年には、Heinz Schmersal氏の息子であるPhilip Schmersal氏が一族の第三世代として、Schmersalグループに入社しています。

そして2008年には、ドイツのミュルドルフに拠点を置くSafety Control社を買収し、Schmersalグループ傘下に入っています。Safety Control社は、ライトカーテンなどを柱に事業を行っている会社で、この買収によりSchmersal社は、ドアスイッチ・コントローラに続いてライトカーテンの取り扱いもスタートさせ、事業の幅をより広げていきました。

さらに2012年には、ドイツのベルギッシュグラッドバッハに拠点を置くBöhnke + Partner社を買収し、Schmersalグループ傘下に入っています。Böhnke + Partner社は、エレベータ向けのコントローラなどを柱に事業を行っている会社で、今まで買収してきた会社とは少し事業分野が違うように感じるかもしれませんが、エレベータも日常的によく使われ、ドアに挟まれたり、ドアが完全に閉まっていないのに動き出したりなど、やはり危険が伴うこともあるので、“安全”といった面ではSchmersal社の事業にも絡んできます。

これらが、ドイツ国内の大きな買収に伴う事業拡大の背景で、その他に自社でも、1974年にブラジル、1999年に中国、2007年にインドでR&Dおよび製造拠点を設置しています。また、ヨーロッパをはじめ世界20ヵ国にSchmersalグループの販売子会社を設置し、グローバルに展開しています。

さらに最近では、アジア戦略にフォーカスした取り組みを行っています。グループの販売子会社は、ヨーロッパを中心に、南米/北米にも設置されています。ただ、アジア圏には中国とインドに営業・製造拠点の事務所・工場があるだけで、それ以外の地域では現地の代理店様にお任せしている状況でした。

そのため、アジアにもグループの営業子会社を設置していき、それを増やしていくことにより、事業強化を図る目的で進められています。その第1号が日本での株式会社化であり、他にもタイで営業子会社設立が進められており、ほぼ本年度中に設立する見込みです。その他の国でも営業拠点の設立が計画されています。

 

■では、日本の拠点についてお聞かせください

 

堀本 : 元々日本には、2000年6月にSchmersal社の日本支社として、ケー・エイ・シュメアザール有限合資会社が設立されていました。当時の事業内容としては、セールスサポートという形で市場調査や技術面からの営業サポートを主に行っており、実際の輸入/販売については代理店各社にお願いしていました。

状況によっては、営業に関してもすべて日本支社が行い、輸入/販売だけを請け負う代理店にその後を依頼するケースもありました。

このような国内の体制を見直し、当社で輸出入を含めた販売プロセスすべてに直接対応していくため、2017年12月にグループ100%子会社となるシュメアザール株式会社を東京都杉並区西荻窪に設立し、2018年8月には横浜市港北区新横浜へ事務所移転を行いました。その後、日本支社から株式会社への業務移管や代理店様への対応などを1年かけて行い、日本支社は2018年12月に閉鎖しています。

現在は、昨年1年間でようやく事業基礎となる業務体制が固まりましたので、今年から本格的に営業活動に注力していくために、営業や技術などの人員を徐々に増やしていく予定です。

会社名
シュメアザール株式会社
所在地
横浜市港北区