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スペシャルインタビュー
2022.07.05
ものづくり力を活かした脱臭除菌装置のオリジナルブランドを立ち上げ
〜「光触媒」と「深紫外線」のダブル清浄でクリーン空間づくりに貢献〜
大陽工業株式会社
大陽工業株式会社

「FS装置カンパニー」と「プリント回路カンパニー」の2カンパニー制で事業を展開する大陽工業株式会社。今回は、「FS装置カンパニー」で最近立ち上げた脱臭除菌装置のオリジナルブランドにスポットを当て、同社の概要とともにブランド立ち上げの経緯や開発製品の特徴などについて、代表取締役社長 酒井 陽太 氏にお話しを伺った。

 

■御社の概要についてお聞かせください

 

酒井 : 当社の創業家である酒井家は、元々江戸時代に生活用品をつくる鍛冶屋の家系でした。

明治時代には「酒井工場」を創設し、そこで『煙草細刻機械』を発明しています(写真1)。そして、当時の専売局が煙草刻機械を統一するため全国業者品評会を開催した時には、最優秀金賞を受賞しました。この受賞により、私の先祖が発明した『煙草細刻機械』は、専売局によって全国に普及していき、これが近代化の中での産業に関わる初めての出来事になっています。

写真1 八王子事業所内に展示されている『煙草細刻機械』

 

昭和の時代に入り、私の祖父は三男ということで独立し、1933年に東京都品川区で機械設計を行う「酒井精機製作所」を開設しています。その後、大田区に工場を移転し、軍事関連工場などに部品などを納入していましたが、1945年の空襲で工場を焼失しました。そのショックから祖父はやる気を失ってしまい、代わり私の父が入学したばかりの大学を中退し、1947年に「太陽塗装工業株式会社」を同じ大田区に設立したのが当社のスタートになります。

その後、1951年に社名を「太陽工業株式会社」に改称し、プレスと塗装業を中心とする事業を展開しました。1962年には、東京都八王子市の石川工業団地に八王子工場を建設し、そこでは主に塗装板金業を行っていましたが、のちに産業用プリント配線基板の製造をスタートさせ、日本経済の高度成長とともに電子部品業界で業績を伸ばしてきました。

1965年には、現在の社名である「大陽工業株式会社」に改称し、分社化を積極的に進めていきました。多い時には、20数社ほどのグループ会社が存在しましたが、吸収合併などにより現在は15社ほどで、そのほとんどが電子部品関連と電子装置の開発関連の会社になっています。

また、工場に関しては八王子工場のほかに埼玉県羽生市にも工場を設置しており、八王子工場では板金/塗装と装置の組み立てなどを行い、プリント配線基板関連は羽生工場で行っています。

そして、2003年には社内カンパニー制をスタートさせ、現在は八王子事業所を拠点とする「FS装置カンパニー」と、羽生事業所を拠点とする「プリント回路カンパニー」の2つのカンパニーで事業を展開し、3年前には創業70周年を迎えています。

その中で「FS装置カンパニー」においては、初めての試みであるメーカーとしてのオリジナルブランドを立ち上げており、現在はブランド力の強化に向けた取り組みを色々と進めている状況です。

 

■「FS装置カンパニー」の概要とブランド立ち上げの経緯についてお聞かせください

 

酒井 : 「FS装置カンパニー」は創業以来続いている板金/塗装事業と、装置の設計/組み立てを中心とした事業を展開し、その他に商社的立場で微小電流センサの取り扱いも行っています。

市場に関しては、眼鏡関連の分野からスタートしていますが、基本的にはサプライヤーチェーンの中に組み込まれるような立場だったので、ユーザーとなられるお客様にご指導いただきながら様々な装置や工場の大きな設備などを手掛けていき、メカトロニクス関連の事業に発展させています。色々と苦労もしましたが、そこでノウハウや実績をつけていきました。

しかし、これまでの仕事はすべてお客様主導で仕様が決められているOEM形式で、我々はその仕様を忠実に実現するスタイルをずっと続けていました。そのような中で、今まで培ったノウハウを活かし、自社ブランドの製品を開発できないかと考えるようになりました。

そこで、まずは電力を削減する省電力機器の開発を進めていきましたが、最初に開発した製品は他社のコア技術を活かしたもので、本当の意味での自社ブランド製品ではありませんでした。ただ、これがきっかけとなり、本格的な自社ブランド製品の開発にチャレンジしていきました。

そして初めは、以前ある研究機関に在籍されていた方と一緒に血液凝固検査装置の開発をスタートさせ、メカトロニクス関連の市場だけでなく、医療関連の分野にも参入していきました。しかし、医療器に関しては非常にハードルが高く、製品化には長い年月を要することが分かってきました。そのため、血液凝固検査装置の開発と並行し、新たに光触媒をベースとした脱臭除菌装置の開発をスタートさせました。光触媒に関する技術は、以前光触媒を専門に研究されている会社と光触媒を応用した装置の開発を共同で行ったことがあり、そこで知識やノウハウなどを蓄積していたので、独自に進めることができました。

これら自社ブランド製品の開発については、すべて国や東京都の助成金を利用させていただいており、そういった開発費の調達から色々と学んでいき、今まで取得したことのない特許の出願にもチャレンジしています。

そして、昨年メーカーとしての初ブランドとなる“MIKAZE(光風)”を立ち上げ、今年の6月にブランド第1号のLED脱臭照明『MKZ-LSN30』をリリースしています(写真2)。“MIKAZE(光風)”というブランド名は、臭いや菌といった目に見えない敵に、目に見えない光触媒の「光」とファンの「風」を送り込んで立ち向かうというか、不活性化させる意味合いから、「光」と「風」と書いて“MIKAZE”というブランド名になりました。

写真2 LED脱臭照明『MKZ-LSN30』

 

 

また、この製品を2020年度グッドデザイン賞に応募したところ、「脱臭/除菌/ウイルス除去、LED照明という必要な機能を新たなものを増やすことなく統合した点」が評価され、初めてのチャレンジではなかなか難しいとされているこの賞を受賞しています。

会社名
大陽工業株式会社
所在地
東京都品川区